川崎市の多摩川中流でみられる底生生物と水質との関係図

 多摩川が川崎市を流れる場所は中下流域で上流の清流にすむ底生生物はなかなか見れないことが多いと思いますが40年ぐらい前と比べればいろいろな人たちの努力で見違えるほどきれいになった多摩川です。
特に中流域の水質環境の変化は良くも悪くも生態系にも影響をあたえているようでうす。多摩区や高津区や中原区の一部ではきれいなところにしか住めない底生生物もみつかっており明確な分布はしづらいのが現況です。
 自然になってしまったのなら仕方がありませんが、私たち人間が良いことも悪いこともすべてのことに関与してこのようなことになってしまったことも事実です。
今の状況が良いか悪いかは未来の住人が判断してくれることかもしれませんが少なくても自然の宝庫の多摩川に少しでも絶滅する種類の生きものが出ないようにしたいものです。
                                                                           
多摩川中流域の底生動物
底生生物   名前 体の特徴・生活の様子   
きれ   ガガンボ
幼虫

(9〜50mm) 
 体はイモムシ状で足はない。頭の部分は退化しており、腹が帯状に
ふくらんだ突起があるものも多い。成虫はカトンボと呼ばれる大型の
蚊によく似た虫に成長する。
 
  プラナリア
(8〜20mm)
 
 プラナリアは日本中の川の上流に生息しており、石や枯葉などの
裏に張り付いている。体はひらたくてのびちぢみをするが目が二つ
ある。水温の低いきれいな水の中の石や枯葉にくっついていることが
多い。
 
  ヨコエビ

(5〜8mm) 
 体は左右に平たく、名前のとうり側面を横向きにして泳ぐ。
湧水や細流に生息する。
 
 ややきれい 〜 少しきたないややきれい 〜 少しきたない  コカゲロウ類
幼虫

(5〜8mm
多くは、きれいな川に生息します。他、湖沼や浅い池にすむ種類もいます。
・ 尾は3本(2本の種類もいる)で、柔らかい体をもちます。
・ 様々な形をした種類が存在し、泳ぐことに適した種類、もぐることに適した
種類、歩くことに適した種類、石の上をすべることに適した種類などがいます。すばやく泳ぎます。 
 
ヒメカゲロウ
幼虫

(3〜5mm)
体は小さく、6対のエラのうち、第2対が大型でほかのエラをおおっている。
尾は3本。
 
キイロカワカゲロウ
幼虫

(8〜15mm)
体全体が黄色っぽく、前翅の前縁が茶褐色のカゲロウ。尾は3本ある。
平地・低山地の河川周辺で見られ、灯火にもよく飛来する。
幼虫は、ゆるやかな流れの、川底の石の下にひそんでいる。
 
コガタシマトビケラ
幼虫

(8〜15mm)
幼虫は、瀬の石の隙間に巣をつくり、網を張って、流れてくるデトリタス(藻類、落ち葉のクズなど) を食べます。一年中見られ、個体数は多い。
河川の上流域から下流域まで広く分布しますが、特に中流・下流域に多く見られます
 
 ヒラタドロムシ
幼虫

(5〜10mm)
 ヒラタドロムシは主として河川に生息する水生甲虫の仲間です。幼虫は水中で藻類や流木などを食べています。幼虫は円盤型のものと、やや長くて体の横に突起をもつものがいます。円盤形の幼虫は川底の石にくっついていることが多い。  
カワニナ 淡水域に棲む細長い巻貝で、ゲンジボタルやヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の餌としても知られている。川・用水路・湖沼などの淡水底に生息するが、都市部の河川など汚染の進んだ水域では見られない。落ち葉などが積もるような流れが緩い区域に多く、流れが速い渓流には少ない。  
 よごれている  サホコカゲロウ
幼虫

(5〜7mm)
 幼虫は主に、中流域の平瀬や早瀬に広く分布する。時には上流から下流域近くまで生息し、
幼虫は水質汚染に強く、川の水質調査における「汚い水」の指標生物にされている。
 
 ヒメトビケラ
幼虫

(3〜5mm)
 河川では数の多い昆虫であり、多くの種があることから、カワゲラやカゲロウと並んで河川の水質調査の際の指標生物とされる。  
 シマイシビル

(20〜40mm)
 体は扁平で前後に吸盤を持つ。前吸盤は小さくその底に口があり、顎はない。後吸盤は円形である。眼は4対あり、2対ずつ横に並び、その間に2体環の隔たりがある。
河川中流域から下流域にかけて生息していて、河川では最もよく見かけるヒルです。やや汚れた水域を好み、ミズムシ、イトミミズ類、トビケラ類などを食べます。 人の血を吸うヒルは別 ヤマビル(山の中に生息)・チスイヒル(田んぼなどにいる)
 
 ミズムシ

(約10mm)
 体長は1cmほど。ミズムシは水の中で生活していますが、陸地にいるダンゴムシやワラジムシの仲間です。エビやカニとも近い種類。汚い水でも生きていけます。水の中に積もった落ち葉などを食べています。  
 スジエビ

(約50mm)
 川や池、沼などに広くいます。水草や、水辺の植物のまわりによくいます。
大きさは5cmぐらいになります。体は透明で、黒い筋が特徴です。
 「川エビ」として売られている物は、スジエビかテナガエビであることが多いです。
から揚げにする場合が多く、おいしいです 。
 
 モノアラガイ

(15〜20mm)
 水田や池、水たまり、人家に近い汚れた溝などに多くいます。
殻高は1〜1.5cmほど。
 比較的汚い水にも強いのですが、後出のサカマキガイと同じような場所に住み、サカマキガイの方が汚い水に強いのでサカマキガイばかりになってしまった所が多いようです。
 
 たいへんきたない 赤色ユスリカ
幼虫


(8〜15mm)
 川や用水路などで発生するが、特に生活排水などで汚れた「どぶ川」では大量発生することがある。ドブの泥を集めて棲管を作り、そこから上半身をのりだしてゆらゆらするのがよく見られる。ただし、種数からすればドブにすむものはごく一部で、富栄養化の進んでいない普通の川や池沼、あるいは清流にすむものも多い。  
 ホシチョウバエ
幼虫


(3〜10mm)
 幼虫は繁殖場所である「ヘドロ、汚泥や汚水、浮遊有機物(スカム)」の溜まり場にいます。  
 イトミミズ類

(40mmぐらい)
 下水管の中や溝などに集団で生息している。生命力が強く、基本的にどこでも生息できる。
乾燥にも強く、水が無くなると塊になって身を守るので、多少水が少ない場所でも生きていける。
河川や湖沼の指標生物にされる。酸素が足りない基準とする指標生物として利用する。
 
 エラミミズ

(30〜60mm)
 全世界に広く分布し、河川、湖沼、水田等の泥底に生息します。霞ヶ浦では、全域、全季節に出現しますが、冬に多くなる傾向があります。体色は、淡紅色のものがほとんどですが、淡紫色を帯びたものもあります。体長は、最大150cmに達します。体の後の方の背中、腹側に櫛の歯のように並ぶ鮮紅色のえら突起があるのが特徴です。  
 サカマキガイ

(5〜10mm)
 殻高は1cmほど。多くの貝がカワニナのように右巻きですが、名前の通り逆の左巻きです。貝殻の尖った方を上にすると口が左側に来ます。
繁殖力が高く大量に発生する事があります。下水路や合併浄化槽など汚水中でも生息することができます。
 

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