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実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.BHEADLINE

テーマ:『電気を作る』

 


目的:
  以前、液体から電気が発生することを実験しました。より進めて、子どものリクエストもあり、基本的な発電の構造から、電気を作ることを実験してみます。

注意:
・電気の発生電圧は、LED電球が、点灯するかどうか程度です。危険はありません。

概要:
1、コイルと磁石の間で、電気が発生することを実験する。
2、水力発電、火力発電、風力発電、原子力発電など発電手段は色々ありますが、基本となる共通の発電のしくみを考える。
3、1と2から、磁石を動かし、コイルに電気を発生させる装置を試してみる。
4、モーターが、発電することを見てみる。
5、逆起電力の確認には、LED電球か?テスターにて、行う。

道具:
①事前実験用エナメル線:100m  数百回巻き(直径5cmの輪だと700回)
②テスター
③円形型磁石 各グループに3個 (大きさは、紙の筒に入る)
④タコ糸 細さは、細め~中くらい 各グループ1m。
⑤マブチモーター 各グループに1つ
⑥LED 各グループに1つ (交互に点灯を考えるなら、2つ)
⑦紙の筒 各グループに1つ 
⑧エナメル線 10m 各グループに1本。 0.3mm程度 そのうち15cm分を切り出しておく。
⑨豆電球 各グループに1個
⑩電池 各グループで2つ 単三
⑪紙やすり 5cm四方 各グループに1枚。
⑫発電所の仕組みの図 各グループに1セット
⑬磁力線観察ツール 各グループに1つ
⑭ゼムクリップ 各グループ2個
⑮セロテープ


準備:
 ①参考の伝達観察テープを作成
 ②牛乳パックでレールを持ち上げる台を作る。


進め方:
1、以前は、いくつかの液体と金属端子で、電気が発生することを実験してみました。これは、「ボルタの電池」として有名ですが、中学で学ぶと思います。そのとき、思い出してくださいね。
2、さて、今日は、より進んで、世の中にある発電所の構造から、基本的な発電=電気を作る、を実験してみましょう。
3、まず、単純に磁石から磁力という物(磁束)が出ていることを観察してみます。
4、ここに被覆つきカラー針金の粒の入った小さなペットボトルがあります。これに磁石を外から近づけてみましょう。二つの磁石ではさんでも見ましょう。



5、針金の粒は、磁石からの鉄などを引きつける力の線を見せてくれます。これが磁力線です。
6、この磁力線の間に銅線を通したらどうなるでしょうか? 磁石と銅線の関係を実験してみましょう。
7、各グループにエナメル線を15cm用意しました。
こエナメル線の両端2cmほどを紙やすりでこすって、エナメルをはがし取ります。その端をフックのように曲げて、電池の幅のブランコを作ります。
ゼムクリップを電池の両端子にセロテープで貼り、エナメル線のブランコをぶら下げます。磁石に近づけるとどうなるでしょうか? 場所を探って見てください。





8、銅線に電気を流して、磁石に近づけると、銅線に動く力が働きました。では、逆の考えで磁石と銅線を動かしたら、電気が発生する?どうやりますか?
9、ここに紙の筒があります。各グループに1つ渡します。次に、銅線:エナメル線を各グループに10m 1本を渡します。(先で目をつつかないように注意)
10、両方の端が、10cm残るようにして、筒にエナメル線をきれいに巻いてください。
コイルがほどけないように、最初と最後をセロテープで押さえます。
11、両端を紙やすりで、エナメルを削り落してください。(色が銅色になります)




12、さて、これで、電気ができるかどうか、テスターで調べてみましょう。テスターは一つしかないので、回ります。(測定の仕方は、簡単に説明)
13、電気は発生していませんね。

14、では、ここにボタン型の磁石があります。2~3つほど付けて筒の左右を手の平でふさいで、中で磁石を左右に動かしてみましょう。テスターは、なにか反応するでしょうか?どうですか?  約20~30mv発生。

15、磁石とコイルで電気が発生するようです。磁石が、中にあっても、じっとしていては、何も電気に変化はないですが、磁石からの磁力線とコイルが、すれ違う時に発生。これは、難しい言葉で「電磁誘導」といいます。

16、では、より、大きな電気を発生させたいのですが、どうしたらよいですか?

17、磁石、速さ、巻き数、はどうでしょうか?

18、では、磁石も増やしましょう。(磁束が増えるか不明)

19、テスターで測定。(顕著に差が出るかは不明)

20、磁石の速さを変えるとどうでしょうか?どうやって、速くする?一生懸命、左右に振る!

21、では、ここで、どのグループが、一番、発電するかコンテストです! 前に代表は出てきてください。30秒間で最高の数字をテスターで測定。(顕著に差が出るかは不明)

22、時間がないので、たくさんエナメル線を巻いた(700回)コイルを用意しました。これでは、どれほどになるでしょうか?テスターで測定してみましょう。

23、いくつかの方法で大きな電気は、得られそうですね。
     ファラデー e=N dφ/dt
24、では、ここに豆電球があります。この電球に必要な電圧はいくらでしょうか?豆電球のところに書いてあるので、読んでください(落とさないように)。豆電球やLED電球を点灯するほどの電気は、約2v、なかなか、できませんね。

25、発電所の種類として、どのようなものがあるか、知っていますか?挙げてください。
原子力発電、火力発電、水力発電、ほかに? 風力発電、地熱発電、太陽光発電、波を使った発電もありますね。ここでは、先の様に、100人ぐらいで手で筒を振っているのでしょうか?
26、ここに代表的な発電の構成図があります。原子力、火力、水力。なにか、共通なところはありませんか? タービン?
27、発電機:磁石とコイルをさきほどの左右に振るのではなく、回転をうまく使っています。

28、ところで、この形、何かに似ていますね。そうです、モーターです。モーターは、電気を通すと、回転します。実は、逆に、軸を回転させると、電気が発生します!
29、まずは、モーターを電池を接続して、単純に回してみましょう。





30、では、電池の代わりに、豆電球に置き換えて、モーターの軸を回転させて、電気が発生するか、試してみましょう。接続の方法は、次の図のようにして、モーターを手で持っても豆電球が落ちないように誰か、手で持ってください。(モーターの端子で手を傷つけないように注意。感電はしない)

31、このモーターは、ミニ四駆で使っているモーターです。軸にタコ糸を一周回して、端を指で軽く押さえて、もうひとつの端を引っ張ります。うまくできるかな?豆電球を見る人、モーターを回す人。交代しながら、皆が体験してみる。(コツ:引っ張る側の反対側をモーターを持つ手の指でモーターに押さえつけておき、糸を引っ張った時に、指を離す)




32、豆電球の代わりに、テスターでどのくらい電気が発生しているか測定してみましょう。約1v程度は出る。

33、かなりの回転を与えないと電球は光りませんでしたね。でも光りましたが見えましたか? 発電はできることはわかりました。(実は、これらのモーターでは、難しいのです。)

34、このままでは、残念なので少し、細工をしてみます。モーターの端子同士をつなげてショートします。また、豆電球をLEDに変えます。これで、手で軸を回してみましょう。

説明(自己誘電による逆起電力):
モーターは、Lなので、インダクタンスと回転でスイッチがオンオフする電池と考える。スイッチのオンオフはモーターの中の整流子とブラシの接触タイミングによると思われる。オンからオフになるとき、コイルのL分に蓄積されていたエネルギーが逆起電力として放出され今まで発生していた電圧に加わることで、高電圧が得られる。端子をショートすることで電流を流しやすくし、LEDには、電圧を与える。
LED電極には、正と負の電圧が供給されると思われ、あまり使うと壊れると思われる。
豆電球では、光らない。LEDでは、電流は微弱でよいが、豆電球では電圧と共に電流も必要なためと思われる。

35、さて、今の実験では、実は、モーターからの電流が流れたり切れたりしていると、モーター側が、逆に流そうとする現象を使ってLEDを点灯しました。

36、よくわからないと思うので、次の実験をして見ましょう

37、電池と豆電球を用意し、接続します。







38、電池をつけてモーターを回します。モーターは回りますが豆電球は点灯していません。

39、では、モーターの軸をつまんで止めてください。豆電球はどうなりましたか?

40、ほんの少し、光りましたね。どうしてでしょうか?

41、モーターを押さえて止まっているときは、電池からの電気はモーターを通って、豆電球に流れるので、豆電球は光ります。モーターが回ると、モーターを回すのとは逆方向に電気が発生して、電池とぶつかり合い、弱くなります。そのため、豆電球が光るほどには電気が来ないのです。これは、逆起電力という発電です。


さて、今日は、発電ということで、いろいろなことを実験しました。コイルと磁石で電気は発生する。そして、モーターを逆に使うと、発電する。そして、発電は、よりうまく大きな電気を得るために、いろいろな工夫が必要だということが分かりました。LED電球を光らせるのも大変です。私は、今日の実験のために色々と工夫をしてみましたが、結果は、失敗ばかり。皆さんのなかで、挑戦して見てください。
また、話は違いますが、太陽光発電は、今日の方法とまったく違いますが、興味のある人は、調べてみてください。










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