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実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.BHEADLINE

テーマ:『液体で電池?』

 


目的:
 レモン電池はよく、本などで紹介されている。その先を進め、液体から電気が発生すること、その発生電気の大きさを実験で確認する。


注意:
 電気と言っても、電池程度の電圧が発生するので、さほど危険ではない。(電流も小さい)

道具:
@ テスター:1
A 紙コップ 容量200ml程度:10(水洗い用 Gr.ごと1個、対象液体用6個、)
B ミノムシクリップ付きコード:6本
C 豆電球:各グループ1個
D 電子オルゴール:1
E 銅版片:3
F トタン板片(亜鉛):3
G 対象液体 各200ml 3グループx2回=6種:
2倍に薄めた酢、炭酸水、オレンジジュース、水、3%食塩水、3%砂糖水、3%ポッカレモン水、
H レモン:2
I 古新聞紙:各Gr.1枚 (水でテーブルを汚さないようにするため)
J 電池(単1〜3どれでもよい。古くても電圧が出ればよい):各Gr. 2個



進め方:
1、さて、電気というと目に見えないので、怖い、感電する、とか思っている人が多いのですが、皆さんは、生まれた時から電気を色々使った電気製品を使っています。何があるでしょうか? 携帯電話やゲームなどもありますね。でも、その基本となる電気の生まれることを今日は実験してみましょう。

2、まずは、ここにある乾電池の電気の力を測ってみましょう。
電池を各グループに2つ、与える。ここに目に見えない電気を目に見えるように測るテスターがあります。赤い端子を電池のでっぱりのある+に、黒い端子を平らなお尻の−に付けます。設定は、直流電圧。数字が表示されます。

3、1つの電池の電圧を測定してみましょう。テスターは、ひとつしかないので、順番です。測定したら、表示した値をメモに書く。(測定という行為を体験) 1〜1.5v。

4、では、電池を2個、直列接続して、電圧を測定してみましょう。どうなると思いますか? (直列接続はどうゆうことか確認。) この場合は、電圧は、足し算。





4、さて、電圧の測り方と、直列接続の電圧が足し算と言うことが分かりました。では、レモンから電気が生まれることを実験してみましょう。

5、その前に準備です。
 みの虫クリップは、洗濯バサミのようにビニールのカバーの上から押すと口が開きます。これで、黒いクリップで銅板、赤いクリップでトタン板をそれぞれはさむ練習をします。
*金属の板で手を切らないように注意。

6、レモンを半分にした輪切りを各グループに一つ配ります。
半分に輪切りしたレモンに、端子を刺しますが、ふさが邪魔するので、またがらないように刺します。





7、黒いクリップで銅板(赤っぽい)、赤いクリップでトタン板(白っぽい)をそれぞれはさむ。
コードの反対側のクリップに、テスターの端子で触る。
テスターは、1台しかないので、各グループで、順に発生電圧を測定する。
測定した値を書き留める。各グループの値を発表してください。(0.9〜1v)





8、さて、レモンの輪切りを2つ、つなげてみましょう。Gr.1とGr.2のレモンと、端子とコードのセットを使います。さきほどの乾電池の直列に接続したようにレモンも直列につなげてみましょう。どう接続しますか?どのくらいの電気の力になりますか?予想は?

9、以下のように接続します。準備ができましたか?では、テスターで測定して、値をメモします。電圧はどうなりましたか?各グループ発表。足し算になった?

*2つのレモンをつないでいる途中にある端子を抜いたらどうなるか?
  ⇒ テスターの数値は、ゼロになるので、電気が流れる道が切れたと言える。





10、次の準備ため、各金属端子とクリップを水で洗ってください。

11、さて、レモンでできたのだから、水や他の液体でも電気は生まれるのではないかと思うのですが、どうでしょうか?

12、ここにいくつか、液体があります。(時間がなければ、最初の3液体)
炭酸水、オレンジジュース、食塩水、水、砂糖水、酢。じゃんけんで決める。各グループに、一つ液体を選んでもらう。コップを持ってこさせ、講師がリクエストの液体を注ぎます。

13、先のレモンのように刺せないので、銅板を黒いクリップではさみ、コップに入れて、これを持つ人を決めますA。次にトタン板を赤いクリップではさみ、コップに入れて、これを持つ人を決めますB。

14、配線の黒いクリップをテスターの黒の端子、赤いクリップをテスターの赤い端子にはさみますC。テスターの値を読みますD。メモします。




15、さて、各グループの値を発表。書きだします。

16、各コップは、横に置いて、次の準備ため、各金属端子とクリップを水で洗ってください。

17、別の液体を選んで、もう一度やってみましょう。(時間がなければ、スキップ)
(三グループx2液体=6種類 6コップは必要)

参考値
電池 レモン 炭酸水 オレンジジュース 食塩水 砂糖水
ひとつ 0.93 0.86 0.825 0.927 0.813 0.73 0.92
直列2つ
直列3つ
<以下の写真は、水、炭酸水、炭酸水の様子で、測定値は上の表とは異なる>



一番の電圧の液体を決定! スーパー液体電池!


18、この電池で、なにか、電気の力を見たい。動かしたい。ここに豆電球があります。
これは光るでしょうか?




19、ちょっと、無理?では、どうすればよいでしょうか? 思い出してください。そう、直列接続。みんなの液体のコップを3つつなげてみましょう。一つのテーブルに集合。
8人協力。電圧は、どのくらいになると考えられますか? 測定してみましょう。






20、どうでしたか?
     光らないかもしれません。どうしてでしょうか?

    (電圧は足りているが、電流などが足りないと思われる。 液体電池の内部抵抗)
21、では、最後に、電子オルゴールがあるので、豆電球の代わりに、電気の力として、鳴らしてみましょう。

  かろうじて、鳴ります。電子回路なので、電流はさほど必要がなく、電圧があればよいからと思います。

<以下の写真は、炭酸水とレモン片を直列に接続してみた風景。>

まとめ:
どこから、電気が生まれたのでしょうか?

酸性(H+)のレモンの中には、水素イオンというものが含まれています。
銅板とトタン板(亜鉛)をレモンに刺すと、トタン板の元になっている亜鉛は電子と亜鉛イオンになり、a亜鉛イオンは、レモン果汁の中に溶け、電子は導線を伝って銅板の方へ移動していきます。
(亜鉛イオンが増えてくると、水素は亜鉛よりもイオンになる力が弱いので)水素イオンは銅板に移動してきた電子とくっついて、水素ガスになります。これが、繰り返されて、電気になります。

レモンの代わりにいろいろな液体を実験しましたが、液体の中では、イオンが泳いでいるというイメージです。
イオン化傾向の差が大きいほど組み合わせ(どちらが酸化還元されやすさ)により、発生電圧は大きくなる。






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