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実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.B

テーマ:『色のいろいろパート2』

 

目的:
身の回りには、いろいろな色に囲まれている。しかし、その色、そのものがどのようにしてできているか、色の世界は、わかっているようでふしぎな現象があることを知る。
基本は、色の三原色と光の三原色。

概要:
1、 色の三原色の説明から、水性サインペンの色は、何色を混ぜて作られているかをペーパークロマトグラフィーで分析し、絵具で色を混ぜて作ることが、ここでも行われていることを知る。
2、 インクでプリントした絵が、色の粒で構成されていることを観察し、人間の目の能力を体験。
3、 絵具などの色を混ぜるのとは異なり、光も色の集合であることを、簡単な虹を作って、理解する。
4、 光の三原色を作り、物の色の見え方を観察。


注意:
特には、なし。

道具:

@ 色の三原色、光の三原色の図
A 水性サインペン:3色以上、あるとよい。細め。
B キッチンペーパーかペーパーフィルター(白):5cmx5cm 1人2枚
C コップ:各グループ 1個 透明でなくともよい
D ストロー:細め。 2人で1本
E 新聞紙:テーブルが濡れないように敷く
F 懐中電灯:3本 (100円ショップ)
G 光の三原色アダプター:青、赤、緑のセロハンを貼った黒のケント紙の筒
H スリット紙:3枚 (黒のケント紙の筒の様に作るか?、必要はないかも)
I CD:各グループに1枚 (いらなくなったもの)
J インクジェットプリンターで印刷したサンプル画像:3枚
K ルーペ 2個(各グループに1個欲しいが)
L 段ボール箱:簡易暗室(予め、のぞき穴など準備)
M おもちゃ:赤いリンゴ、黄色い人形、水色のくつ、、、、
N 正20面体


事前準備:
・懐中電灯の三原色アダプターを作っておく。

・適当な画像をインクジェットプリンターで印刷しておく。
・基本の図を書いておく。
  色の三原色:絵の具の三原色は黄色(Yellow)と赤紫色(Magenta)と空色(Cyan)です。
  光の三原色:赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)です。

  左:光の三原色図         右:色材料の三原色





進め方:
【色の三原色】
1、 さて、皆さんは、色水や絵具で色を混ぜて、違う色を作ったりしたことがあると思います。ここでは、そこから話を一歩、進めた、“色“と一言で言っても、さまざまな、色の話が、この世界ではあります。それらのいくつかを実験をしてゆきましょう。
2、 絵具の色を混ぜると、色が変わりますが、さて、問題です。
ここに黄色(Yellow)と赤紫色(Magenta)と空色(Cyan)があるとします。
@空色(Cyan)の絵の具と赤紫色(Magenta)の絵の具を混ぜ合わせると?⇒答え:青色
A赤紫色(Magenta)と黄(Yellow)の絵の具を混ぜ合わせると?⇒赤色
B全部混ぜると?⇒黒
3、 ここに「色の三原色」の図をもってきました。これを見るとわかりますが、円の重なったところが、混ざってできた色になります。今日は、この実験はしませんので、家でこの通りになるか、やって見てください。
4、 さて、ここに、水性のサインペンがあります。皆さんも使ったことがあると思います。いろいろな色がそろっていて、便利ですね。では、先の「色の三原色」から、どのような色でできているか調べたいのですが、どうしましょうか?
5、 ここにキッチンペーパー/ペーパーフィルターがあります。ここから5cmx5cmの四角を切り抜いてください。2枚作ります。
6、 下に新聞紙を敷いて、濡れてもよいようにして、キッチンペーパーの中心から半径2cmほどの円を水性サインペンで書きます。少し、重ね書きしてインクを加えてください。




7、 次に水を入れたコップから、ストローで水を含ませて、書いた円の中心の白いところに少し、水を垂らします。注意としては、書いた円には垂らさないこと。
*ストローを水の中に差し入れて、ストローの口側をストローを握った親指でふさぎながら引き上げると、ストローの中に水が入ったままで、引きあがります。




8、 さて、水が、紙にしみこんで広がってゆくとともに、水性サインペンのインクが外側ににじんでゆきます。色は、どう変化していますか?
9、 広がりが足らないときは、もう少し、水を垂らしてみてください。水が、円を越えて、紙の端に近づいたら、じっと観察です。 3分?
10、 では、他の色でもやってみましょう。もう一枚。
11、 水性サインペンのインクは、いくつかの色でできていることが、この方法でわかります。先の色の三原色と比べてみてください。

説明:
 インクの色の材料には、いろいろな色の成分が入っています。それらは、展開剤である水にたいして、溶け易さや紙との結び付きの強さなどで、水に溶けやすく紙にくっつきにくい成分は、水の広がりとともに移動し、成分の縞模様ができるのです。
12、 これで、サインペンの色のなぞがわかりました。
13、 少し、話が変わります。ここに、インクジェットプリンターで、印刷した絵があります。この色は、どうなっているのでしょうか?ルーペがありますから、これでのぞいてみてください。どうですか?
14、 実は、小さなインクの粒でできていました。それも、青(シアン)・薄い赤(マゼンタ)・黄色(イエロー)。絵具の様にべったり塗られてはいないのですね。これは、人間の目が粒まで見えないことを利用しているのです。
15、 皆さんの手にする物の色は、どうも単純ではなさそうです。

【光の三原色】
16、 そもそも、皆さんは、自分の目で色々なものを見ていますね。どうして見えているのでしょうか? 目で見ている? そうですね。目のしくみがどうなっているかは、別のときに話すとして、どうして赤いリンゴは「赤」なのでしょうか?の話です。これも誰かが塗っているのでしょうか?
17、 皆さんの周りの太陽の光は、何色? 日向と日陰。無色? 白?
18、 太陽の代わりにここに懐中電灯があります。この光は、何色でできているでしょうか?先の色の分析と同じように、紙にしみこませることはできませんね。どうしましょうか?
19、 簡単な方法で懐中電灯の光を分けてみましょう。各グループに懐中電灯と細いすき間を切った黒い紙、CDを配ります。これを懐中電灯の前に置いて、使わなくなったCDを照らしてみましょう。



20、 別のところに虹のようなものがCD上に見えませんか? 少し、角度や距離を変えてみてください。(スリットを使わなくとも、それなりに虹が見える)
21、 これにより、懐中電灯の光は、いくつもの色によってできていることがわかりました。

説明:
光っている面を見ると、虹色に光っています。これは、蛍光灯などの光が反射するときに、CDにあるでこぼこで光のなかの色で、跳ね返る方向が変わるので、虹のように見えます。
22、 ここに「光の三原色」の図があります。先の色の三原色とは少し違いますね。
23、 ここにクツのおもちゃがあります。水色ですね。さて、クツは、電球のように自分から光っていませんね。光のないところでは、何色でしょうか?

24、 ここに、暗室(光が入らないところ)の代わりに、段ボール箱を用意しました。これのふたをしてしまえば、中は真っ暗です。光がない世界です。(家なら押し入れ)
25、 この中に、クツを置いて、ふたをしてみましょう。どうですか???? 見えないので、のぞき窓を付けていますから、光を入れないようにして順番にのぞいてください。どうですか?
26、 クツがあることもわかりません。つまり、電灯の光や太陽の光がないと、人は色を感じないということです。
27、 では、これではどうですか?(青と緑のライト)
クツは、何色ですか? 赤のライトをなくしました!
28、 クツは、光の中の水色を反射しているのです。
29、 他の光でも観察してみましょう。
30、 では、いくつかの品を持ってきたので、試してみましょう。
31、 さて、先の光の三原色の図を思いだしてください。光の色を混ぜると、違う色ができそうです。確かめてみましょう。
青と緑で?⇒水色
赤と青で?⇒紫
全部合わせると?⇒ 白

32、 最後にここに、白い正20面体を作ってきました。これに3色のライトをあててみましょう。それぞれの面が何色になるでしょうか? 当てたライトの色以外にも、何色か、見えてきませんか?








解説:
さて、今日は、「色のいろいろ」として、色の三原色、光の三原色という難しい言葉ですが、基本は、三つの色でできている。でも、絵具の色と光の色の元は、違う。
物の色が見えるのは、そのものが、光に当たると、そのなかの色だけが反射することで、それを人間が見て、はじめて色として見えるのでした。
もっと、“色“の世界は、広がっています。調べてみてくださいね。






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