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実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.BHEADLINE

テーマ:『雲はどこから?』

 

目的:
  普段、空に浮かんでいる雲をながめるが、その雲がどのようにして生まれるか不思議に思われる。その元の現象を順を追って実験する。


注意:
やけど
煙の吸引


概要:
コップに氷を入れておくと、コップの外側に水滴が現れる現象
 空気中に含まれる目に見えない水蒸気(水の粒)がコップの表面につくと冷やされて水の粒が現れる。暖かい空気の中では、水は水蒸気として溶けている。
減圧すると冷たくなる現象
 ペットボトルを加圧して一気に減圧すると、冷たくなることを手で触れて確認。
両者を合わせて雲の発生現象
 はるか上空では、空気が少なく、寒い。よって、水蒸気は水の粒に変わる。これをペットボトルのなかで発生させる。しかし、あまりよく見えない。そこに線香の煙を加える。するとよくわかる。
雲の発生メカニズムの説明



備品:
①コップ(結露しやすい材質 プラスチックでも可):各グループ1
②氷(冷蔵庫の氷でよい):各グループ4~5個
③温度計:1
④塩:各グループ大さじ1
⑤ペットボトルの容器(キャップ付):透明な炭酸用 500ml 一人1本
⑥炭酸抜けま栓:各グループ1個




⑦線香:各グループ3本
⑧お湯:1人 100ml(3回分)20人で2L。
⑨水:1人 100ml(3回分) 20人で2L。
⑩粘土(線香立て代わり):3
⑪線香立て受け皿(アルミ皿か紙皿にアルミホイールで覆う):3
⑫お湯を注ぐための器(漏斗):3
⑬洗面器:3
⑭ライター:1


準備:
 特には、ない。


進め方:
1.皆さんは、空に浮かぶ雲を知っていますね。何でできているのでしょうか?
水? 水蒸気? 氷? ゴミ?
2.高い空の上の気温はどうなっているでしょうか?
地上と同じ? 寒い? 暑い?
3.空気は、あるのでしょうか?
地上と同じ? 少ない? 多い?
4.では、まず、疑問に思っている人もいるようですので、コップについた水滴について、実験してみましょう。
5.ここにコップがあります。水が漏れたりしていません。ここに氷を入れます。しばらくすると、コップの外側に何か現れます。何でしょうか?




6.コップの中の温度を温度計で測定してみます。何度ですか?ほぼ、0度。水滴が出てきます。これはどうしてでしょうか?
7.今日の温度と湿度を、だれか計器を読んでください。
8.この湿度計は、空気の中に混ざっている水分の割合を表示しています。雨が降って、十分水分があるときは100%。水分は気温が高いとよく空気の中に混ざってしまいますが、気温が低くなると、混ざっていた水分が出てきてしまうのです。
9.すこし、横道にずれますが、ここに塩を振りかけるとどうなるでしょうか?
10.マイナス10度くらいまで下げることができます。これは、氷が解ける速さを速くする作用ができて、より周りの熱を取り、冷やすからです。(もっと塩をふるともっと下がるのか?)
11.ここで押さえておきたいのは、『気温が下がると、空気中に溶けていた水分が出てくる』ということ。
12.では、持ってきたペットボトルを使って、この中に雲を作る実験をしましょう。いくつかのやり方を試していきます。
洗面器に、ぬるま湯を作り入れます。




13.まず、雲の元になる水の粒として、コップで洗面器の中から、ペットボトルの底1cm程度のぬるま湯を入れ、キャップします。




14.ペットボトルをよく振りましょう(細かく20回ほど)。そして、ペットボトルを手で覆い、中を温めます。そしてまた、振ります。これでペットボトルの中はどうなったでしょうか?何かがいっぱいになりました。それは何でしょうか?(水の粒、水蒸気)
15.ペットボトルのおなかを手でつぶしてみましょう。そのあと、一気に手を放してへこみを戻します。これを繰り返します。ペットボトルの中に何か、見えますか?








16.何か、見えましたか?少し、雲のようなもやもやが見えますか?
17.これでは、まだ、あまり、雲は見えませんね。では、雲の種として、お線香の煙をペットボトルの中に入れて、同じことをやってみましょう。アルミのお皿に少し水を入れて、真ん中に粘土の島を作って、お線香を刺しておきます。




18.お線香は、大人が火をつけて皆さんのところを回ります。火のついたお線香をペットボトルの口から差し入れて、10秒ほど待ち、煙がペットボトルの中に入ったところでふたをします。後は、先と同じことをやって、ペットボトルの中に何か見えるか観察してください。どうですか?




19.何か見えましたね?
20.表にまとめましょう。(表を作成)

線香
使わない 使う
お湯 使わない
使う


21.さて、ペットボトルをへこませたということは、中の空気がどうなったのでしょうか?空気の逃げる場所はありませんでした。そうです、おしくらまんじゅうのように縮んだのですね。そしてへこみを元に戻したことで、空気は膨らみました。空気は押し縮むと熱を持ち、水の粒の水蒸気は溶け込むことができます。そして、急に膨らむと冷えます。冷えると、中にいた水蒸気の粒は、空気の中に溶けていられず、水滴として現れます。これが空の上では、地表からの温まった水蒸気が上に登ってゆくと、温度が冷えてきます。すると、水蒸気は、水の粒にもどります。このとき、チリなどを中心にした水滴ができ、雲になります。




22.さて、より見えるようにしたいと思います。どうすればよいでしょうか?
23.ここに炭酸の気が抜けないようにするキャップ「炭酸ぬけま栓」があります。これは押すとペットボトルの中に空気を送り込んで圧力をかけるものです。いままで手でペットボトルを押していた代わりをさせましょう。各グループに1つ、配ります。
24.ペットボトルのぬるま湯は冷めてしまっていると思うので、捨てて新しいぬるま湯を入れます。お線香の煙を入れます。「炭酸ぬけま栓」でふたをします。ペットボトルをよく振ります。





25.さて、「炭酸ぬけま栓」のお腹を50回ほど、へこませてペットボトルに加圧します。
ペットボトルを外から手で少し押してみると、パンパンになってきていることがわかります。ペットボトルを手で覆い、温めます。これを繰り返します。
26.「炭酸ぬけま栓」のフックを一気に外します。ペットボトルを押さずに、ペットボトルの中を観察してみましょう。煙が見えませんか?また、ペットボトルを触ると、冷たくなっていませんか?



27.何回か繰り返しできると思います。雲が出なくなったら、再び、ぬるま湯を入れ替えて繰り返して観察してください。
28.さて、今日は、皆さんの発想から、雲を作ることを身近な道具で行ってみました。ペットボトルの中が空の上と同じようなことになることは、ちょっと、わからないかもしれません。実験は、時に同じような環境を作って行う場合もあるのです。
29.雲は、水の粒、中心になるチリ、温度が作用していましたね。今度、空の雲を見たら、想像してください。そこは寒い、水の粒でおおわれているということを。


















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