本文へスキップ

実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.BHEADLINE

テーマ:『水の表面は?』

 


目的:
  水と洗剤の関係の身近な実験から表面張力を知る。

注意:
 洗剤は、飲んではいけない

道具:
@発泡スチロールトレー:1人1つ 底の平らな部分が、10〜15cmx15~20cm
A紙コップ(約150ml):1人1つ+グループでも2つ(魔法の液体用)
Bゼムクリップ:一人3本
C楊枝:ひとり1本
D中性洗剤:少量(魔法の液体としておく。手洗い用洗剤の方がよさそう)
E洗面器:グループで1つ。口の広さは、直径30cmあるとよい。深さは、10cm以上ほしい。
Fアルミ線:1人25cm
Gガラスコップ:1個 150ml程度。
Hカッター:一人1つ
Iカッティングマット:グループで1つ
Jペンチ/ニッパー:グループで2つ
Kストロー:太めがよい。1人1本(1本のストローを半分に切って2人分とする)
L500mlペットボトル:グループで1本 水入れ用
Mコショウ 少々 (細かい粒のもの)


進め方:
準備として、紙コップBに魔法の液体(中性洗剤を少し、取り分けておく。楊枝は、1本を半分にする。洗剤と接着剤用。
【コップの水面の表面の観察と表面張力の力】
1、少し深めのトレーに紙コップ@を乗せる。ペットボトルに水を入れておいて、紙コップに水を口すりきれいっぱい入れる。そのあと、紙コップAに予備の水を入れておき、この紙コップからストローのスポイトで水を取り、こぼれる寸前まで水を垂らす。その水面が盛り上がっていることを観察しましょう。 どうなっていますか? メモ(水を使うのでファイルが濡れるので注意)






2、この水面に、1個、ゼムクリップを静かに、浮かべてみる。コツは、淵から静かにすっと浮かべる。ゼムクリップの周りの水面はへこんでいるだろうか?ゼムクリップは3個あるので、失敗してももう一回やる。

【魔法の液体で表面張力を弱める】
3、魔法の液体を取り分けていた紙コップBの液体を楊枝の太い方で付けて、水面に触れてみる。浮かべたゼムクリップはどうなるだろう。沈んでしまう。なぜ? なにが起こったのでしょうか?
4、【水面に何が起こっているか見えるようにする】
コップの水は、捨ててください。ゼムクリップは、流さない。捨てない。
5、そこで、トレーに水を深さ1cmぐらい、入れる。そこにコショウを散らすように上から静かに撒く。水面にコショウが浮かんでいますが、吹いたり、さわらない。
6、さて、トレーの水面に、楊枝につけた魔法の液体を付けてみる。コショウはどうなるだろうか? これでなにか見えるかも?




7、魔法の液体は何だったのでしょうか? 実は、中性洗剤や、手を洗う洗剤です。中性洗剤は、非常に早く水面上に広がり、水の表面で、腕を組んでつながっている水の粒の手を離させてしまう効果があります。そのためにコショウの粉は、まだ、洗剤のない水の方にひっぱられるのです。
8、洗面器に、グループで、みんなのゼムクリップをいくつも浮かべる。コツは、難しい。!水面に、楊枝に付けた中性洗剤をつけてみる。よりダイナミックに次々ゼムクリップが沈んでゆく。⇒浮かべることが大変。 次に進めるか?
【いろいろ浮かべてみる】
9、アルミ線(針金より軽い。太さは? 柔らかいので曲げやすい)で、いろいろな形を作って、ゼムクリップの代わりに浮かべてみる。
アメンボ(見たことはないかも)は、見たことありますか?ここにはもってこれないので、針金で作って浮かべてみましょう。時間があれば、そのほかの形を作ってもよいですが、家に持ち帰って実験してみてください。

1人:25cmのアルミ線を渡す。ニッパー、ペンチで約6cmの長さのアルミ線を2本、作る。のこり13cm 1本は、残しておく。 (自由曲線は、浮かばせやすくするため、終端をつまみとして曲げて持ち上げる。) 図面参考。










*できない子には、残りのアルミ線で自由曲線の作成にする。手を貸す。サンプルを見せる。
*足の部分は、机にのせて、机に面で付くように調整する。(コツ)

10、トレーに水を張り、作品を浮かべる。ここにも、中性洗剤を楊枝につけて、水面につけてみる。
【表面張力と洗剤の作用から物を動かす】
11、さきのコショウの動きから、なにか動がせるのではないかと思うのですがどうですか?
12、さきほどから使っている発泡スチロールトレーの平らな底の部分を切り出す。半分の大きさのところにえんぴつで舟の形を書き、切りぬく。
カッターの使い方を教える。カッティングマットを使う。
船と言っても、豪華客船の絵を書いてしまうこともあるので、“この形“と示す。
大きさは、全長約3cm、幅2cmほどの小さめの方が、よく動き回る。
13、グループで一つ、洗面器に水を張る。船のお尻のヘリに少し、洗剤/接着剤を楊枝で付けて、水に浮かべる。どうなるか?





14、渦巻きの形を切りぬき、中心に洗剤をつける。どう動くか?渦巻きは、書くことが大変かも。時間がなければ、家でやってみてください。
15、卵型に切り抜き、洗剤をつける場所を変えてみる。どうか?
注意:水面が洗剤で覆われてしまうと、動かなくなるので、水を変える。
中性洗剤は、広がりが半端ない。手洗い用の洗剤、接着剤の有機物、練り歯磨き、いろいろと家でやって見る。

16、どうしてでしょうか?何が、舟を押している? または、引っ張っている?か、分かりますね?


まとめ:
「水」は、人間にとって大切なものですが、飲んだり、顔や手を洗ったり、なにげなく使っています。しかし、じっと見つめてみると、ふしぎなことばかりです。

コップに水をいっぱいに入れても、そのふちからもりあがって水がこぼれない。ゼムクリップや一円玉、針金(はりがね)でつくったアメンボが浮(う)く。!!!どうしてでしょうか?

水は、なるべくいっしょにいたい!ということで、ちぢみたい手を持った性質(せいしつ)があります。コップの口すれすれに水を入れても、もりあがってこぼれないのは、この力(表面(ひょうめん)張力(ちょうりょく)という)です





軽いものであれば、この水のがんばる力と浮力(ものを浮かせようとする力)で、浮くことができます。

では、洗剤を付けると沈んでしまうのでしょうか?
洗剤には、この表面張力を弱めるものが入っています。すると、水ががんばってスクラムを組んでいたのが、こわれて、ゼムクリップなど、ぎりぎり浮いていたものが沈(しず)んでしまいます。

では、発泡(はっぽう)スチロールの船はどうして、進むのでしょうか?






図のように、船の後ろの洗剤が、まわりの水のがんばりを弱め、綱(つな)引きでいうと、負けてしまうので、船の先頭側に引っ張られてしまいます。

少し、むずかしいかもしれませんが、小さな小さな世界では、いろいろなことがおこっているのです。


バナースペース