本文へスキップ

実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.BHEADLINE

テーマ:『レンズ』

 

目的:
  レンズは、身の回りに色々な製品にも使われている。しかし、その単純なレンズ単体の光学的な現象をとらえていない。そこで、観察することから考えてみる。


注意:
・太陽の光が窓際に置いてあった水槽や花瓶、ペットボトルがレンズの役をして光を集め、火災に原因になることがある。
・LED光源からの光を直接、目に当てないようにする。

概要:
1.身の回りのレンズと思われるものを調べる。
2.虫眼鏡の拡大することを調べる。また、光を集めることを調べる。
3.色々なレンズ製品の焦点とはどこにあるかを調べ、拡大することと関係を考える。
4.虫眼鏡で風景が逆さになっていることを調べ、どうしてかを考える。
5.作図から、対象物、レンズ、焦点の位置と像の見え方を考える。
6.レンズを組み合わせて、望遠鏡や顕微鏡ができることを考える。




備品:
①LEDスリット光源:1 (Artec LED光源装置) 
  光源1本の寸法:11.5cmx3.5cmx2cm


②各種レンズ製品:虫眼鏡、メガネ、双眼鏡、ルーペ、CD読み取り、など
③レンズ焦点観察台:1
④簡易レンズの焦点説明用紙:1人1枚
⑤500ml炭酸用ペットボトル:各グループ1本
⑥矢印を描いた紙(10x10cm):1グループ1枚
⑦A4コピー用紙:1グループ1枚
⑧30cmものさし:各グループ1




準備:
 レンズ焦点観察台(段ボール箱)
中心線に沿って、虫メガネの差し込みとペットボトル差し込みの切り口を開ける。
中心線に平行な線を描いておく。




進め方:
1.皆さんは、虫眼鏡を知っていますね。小さな色々なものを観察するときに使います。ほかに、どのようなことをして遊んだり、使ったりしたことがありますか?
太陽の光を集めて、黒い紙を焦がしたことがある? 新聞を老人が読むとき?
2.さて、知っているようで知らないかもしれない「レンズ」について、考えてゆきましょう。
3.最初に、「レンズ」という名前は、どこから始まったのでしょうか?知っていますか?いろいろあるようですが、昔、レンズ豆という豆があったそうです。そして、ガラスで面白い形にして光を調べていたのですが、このガラスの形がレンズ豆に似ていたことから、このガラスを「レンズ」というようになったようです。
4.皆さんは、家にあるレンズを使ったものはどのようなものがあるでしょうか?挙げてみてください。
メガネ、拡大鏡、顕微鏡、望遠鏡、、、、
5.では、まず、ここに炭酸用ペットボトルがあります。これに半分ほど水を入れます。5cmほど離れた後ろに矢印を描いた紙(10x10cm)を置いて、正面からのぞいてみましょう。どう見えますか?水面の下半分に下の矢印の絵が来るようにしてみてください。
*生徒からの指摘:ペットボトルをもう一つ増やしたら、元に戻って見えるか?→なる!





6.上の矢印は、右を向いていますが、水面下の矢印は、左を向いていますね!どうしてこのようなことが起きたのでしょうか?
7.では、ここに光線を出す装置があります。そして、段ボールに穴をあけた台があります。これを使って、光がどのようにペットボトルの中を通って行ったかを見てみましょう。





8.ペットボトルに平行に入った二つの光(光源を箱の上の平行線に沿って置く)は、ペットボトルの近くで交差し、離れてゆくように見えます。つまり、右からの光は、左に、左からの光は右になることで、矢印の絵は左右逆になるのです。



9.少し、回り道をしていますが、ペットボトルに矢印の絵を近づけたり遠ざけたりすると大きくなったりしますね。
10.では、「虫眼鏡とは」ということで、虫眼鏡を通して、鉛筆や消しゴム、風景を見てみましょう。どうですか?
手前にある物を見ると、大きく見えますね。
遠くの風景はどうですか?上下左右はどうなりますか?
まず、虫眼鏡を持った腕を伸ばして、遠くの風景を見てみましょう。焦点の2倍より遠くに物があると、どうでしょうか?
上下左右逆さまに見えますね!また、大きなビルも、レンズの枠の中に納まり、小さくなったように見えます。

11.室内なら、天井の照明を虫眼鏡を通して床や机の上に映してみましょう。はっきりしたところが焦点です。床と虫眼鏡の距離をものさしで測りましょう。メモしてください。それぞれの虫眼鏡はその距離が違うかもしれません。どうしてでしょうか?
(レンズの形によって拡大する率が違っていたりするからです。)

12.では、もう少し、虫眼鏡、レンズの性質を調べてゆきましょう。
以下の項目を順に観察する。
①平衡に入ってくる光は、一つの点に集まる。焦点
②焦点から出た光は、平行な光になる。
③レンズの中心を通る光は、曲がらない。

13.測定用の台に虫眼鏡をセットします。白のコピー用紙を置きます。レンズの中心が、台に書かれた真ん中の線になるようにします。





14.上から見て、光の進んでゆく場所を見てみましょう。
15.まず、中心の線に平行な光をレンズに向かって当てると、光はどうなるでしょうか?
中心線上の一点に交差します。光源が一つしかない場合は、最初の観察した交点にマーク。光源を光軸と平行に移動して同じ交点に来るかを観察してください。光がまとまったところを「焦点」と言います。太陽の光を集めて黒い紙を焦がす時、一番小さい光の丸になるところがここです。




16.次にレンズの中心に向かって光を当ててみましょう、どうですか?
光は、曲がることなく進んでいきます。




17.では、この焦点に光源を置いて、レンズに向かって光を出してみましょう。どうなるでしょうか?光が届かない場合は、焦点からの線上に光源を置きます。
レンズを通った光は、平行な光になります。




18.まとめてみましょう。
①平衡に入ってくる光は、一つの点に集まる。焦点
②焦点から出た光は、平行な光になる。
③レンズの中心を通る光は、曲がらない。

19.虫眼鏡で、机の上の消しゴムや鉛筆を見てゆきましょう。対象物を焦点距離の2倍より遠いところに置いて、虫眼鏡側からよく見える位置でのぞいてみましょう。その後、対象物をだんだん、虫眼鏡に近づけてゆくとどのように見えますか?もっと近づけるとどうなりますか?観察してください。一番大きく見える場所がありますか? これはどうしてでしょうか?
20.さて、この「焦点」という所と見え方はどのような関係があるのでしょうか?虫眼鏡を机の上にうまく立てます。測定していた焦点距離のところと、その倍のところにマークしておきます。焦点の手前、最初の焦点を越えたところ、焦点の2倍以上のところ、に目標を置きましょう。




焦点の2倍より遠い 焦点の2倍 焦点より少し遠い 焦点より近い
像の大きさ 小さい 同じ 大きい 大きい
像の上下左右 正しい


21.机にある、1の目標(焦点距離の2倍より離れた)を見てみましょう。どうですか?
上下左右逆さまに見えますね!そして、小さく見えます。
22.目で見てみると、1倍より小さくなります。逆さに見えますね。実像 倒立像(上下左右)。作図すると、以下のようになります。




23.では、2の目標(焦点距離の2倍あたり)を見てみましょう。どうですか?
ほぼ、目標と同じ大きさですが、やはり、上下左右逆さまに見えますね!
24.等倍になります。実像 倒立像(上下左右)
作図すると、以下のようになります。





25.次に、3の目標(焦点距離より少し遠く)を見てみましょう。どうですか?
上下左右逆さまですが、より、大きく見えます。
26.1倍より大きくなってゆきます。実像 倒立像(上下左右)
作図すると、以下のようになります。
小さい像から、等倍、そして、より焦点の近傍になればなるほど、無限に大きくなるということ?しかし、その像は、より遠くに結像する?それでは、現実的に難しい。また、目視としては、ある程度離れないと合わない。





27.最後に、4の目標(焦点距離より近い)を見てみましょう。どうですか?
上下左右は、正しく見えます。そして、大きく見えます。
28.焦点の場所では、光が重なり合わないですね。像はできません。よくわかりませんね。
作図すると、以下のようになります。




29.先ほどまでは、逆さの像が見えていましたが、一瞬、大きくなってぼやけてから、逆さではない像になりました。これは、「虚像」といい、スクリーンには映らず、人の目の中で見ることができ、拡大します。正立像。
作図すると、以下のようになります。
物が焦点近傍では、無限大の虚像で、焦点の1/2で焦点位置に2倍の虚像。よりレンズに近づくと、等倍に近くなる?




30.説明図を見ながら考えてみましょう。(簡易的な図であり、正確には、レンズに入射するときに屈折し、レンズから出るときに屈折する図も明記)


31.いままでの観察から、焦点と物の位置から次のようなことが言えますね。
①焦点より遠いところにあるものを見ると、逆さに見える。
②焦点に近くなると大きく見えてくる。
③焦点より近くなると、上下左右が正しく見え、大きく見える。

32.ここに虫眼鏡より拡大する10倍レンズがあります。接眼レンズ。この焦点距離を調べてみます。二つの光線を当ててみると、約2cm。このレンズは、焦点より近いところに見たいものを置いて、覗くように目を付けて観察する物です。参考に皆さんのノートに書いた字を見てみてください。
33.これと先の虫眼鏡を使って、望遠鏡を体験してみましょう。望遠鏡は、二つのレンズを使った道具です。
片方の手で虫眼鏡を、逆の手でルーペを持ちます。虫眼鏡の手を前に伸ばし、風景を見ます。そして、その風景をルーペから覗いて見てください。どうですか?
34.さて、レンズとしては、メガネもレンズを使います。私は近眼です。そのために眼鏡をかけています。このレンズはどのように光を曲げるのでしょうか?サンプルのメガネがありますから試してみましょう。光はどうですか?観察してください。





35.これは虫眼鏡のように光が集まりません。これは凹レンズと言います。逆に、虫メガネや老眼鏡が凸レンズと言います。
どうしてこのようなレンズを使うのでしょうか?近視の人の目は、メガネがないと見えている風景がスクリーンの手前に映るのです。そこで、光の道をちょっと広げてあげると、スクリーン上にちょうど映るようになるのです。
36.さて、今日は、虫眼鏡などのレンズについて、実験してみました。実は、皆さんの目自身もレンズのような構造になっているのです。光は、物と物の間を通ると、曲がったりします。レンズもその性質をうまく使っているのです。顕微鏡や望遠鏡は、このレンズの性質をうまく使って、レンズを複数使い小さなものを何百倍にもしています。ぜひ、調べてみてください。
















バナースペース