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実験クラブは、いろいろと、身の回りのことにTRYすることをしてゆきます。

実験D.BHEADLINE

テーマ:『シャボン玉を作る』

 

目的:
  よく遊んでいるシャボン玉遊び。しかし、その水と洗剤の割合はあまり考えていない。どこまでシャボン玉液を混ぜ合わせればよいか、実験から割り出してゆく。また、実験のアプローチを学習する。


注意:
大きな危険はないが、飲んだりさせない。

概要:
・シャボン玉液は、水と中性洗剤の量の割合でどのようになるかを実験する。
・水道水、中性洗剤の割合を変えた液を設定。
・それぞれの液を作り、測定方法を考え、判定する。

*予想をさせる。
分量、割合の組み合わせ実験は時間の関係上、困難。
よって、材料は分量を予め用意し、組み合わせ表での効果を確認する実験とする。

*実験の本質を考える
 予想:
 測定方法:測定条件の同一化(道具、環境)
 測定値:
 結果からの考察:



準備:
・ストローの先を花弁のようにしておく。
・針金で四角錐、三角錐を作る。
・軍手の代わりにフェルトの袋を作っておく(起毛させておく)。


備品:
① 紙コップ 容量200ml:各グループ 6個(洗剤液用、液1用、液2用、液3用、液4用、液5用、)
② ストロー(予め先を切込み、花弁のように開いておく):各グループ5本
③ 参考計量スプーン:2.5ml
④ 100ml計量コップ:各グループ1
⑤ スポイト:各グループ1
⑥ 調査表:各グループ1か1人1枚
⑦ 乾いた新しいフェルト生地:各グループ2 70x60cm 100円ショップ 17.5x30cmで袋状を8枚作る 起毛させておく)
⑧ 中性洗剤(チャーミー界面活性剤15%):1mlx3
(マジカ 界面活性剤31% 230ml 約¥150)(ジョイ界面活性剤33% 200ml 約¥150 ):
⑨ ゼムクリップ:1人1個
⑩ ようじ:各グループ1本
⑪ お皿(適当な大きさの発泡スチロールのトレーでよい):各グループ1
⑫ 新聞紙:各テーブルに敷く
⑬ 針金で作った四角錐、三角錐:3セット
⑭ 円の型紙(直径5cm、10cm):各グループ1セット


進め方:

1. さて、今日は、「シャボン玉液を作る」というタイトルです。皆さんの中には、「な~んだ、簡単だよ」と思った人もいるのではないでしょうか? 今日の狙いは、「どうして」という思いと、どう実験すればよいのかも合わせて進めてゆきます。
2. 皆さんはより小さいころ、シャボン玉を作って遊んだことがあると思いますがどうですか?
3. シャボン玉は、どうして膨らむのでしょうか? また、すぐに割れてしまいませんでしたか?どうして割れてしまうのでしょうか?
4. まず、どうして膨らむか? ただの水では膨らみませんね。どうしてでしょうか?
5. では、次にどうして割れてしまうのでしょうか? 重力、空気中のほこり、乾燥? 風?
6. では、まず、一人1本のゼムクリップを渡します。この中心の方の端を図のように曲げてください。




7. 水を張った容器(発泡スチロールの皿)の水の上に浮かべられますか?折り曲げた部分をつまんで静かに水面に置くようにします。どうですか? ひとりひとり挑戦です。(10分)





8. さて、浮かんだゼムクリップをよく見てください。水面と触れている部分は、水面がへこんでいませんか? これはどういうことでしょうか?
9. 水は、意外と粘り強いという感じですね。これを「表面張力」と言います。水はなるべくスクラムを組んで小さく縮まろうとするので、ゼムクリップに押し下げられても押し返すのです。(みんなが腕を組んでスクラムを組むと、外から押されてもはね返しますね)
10. さて、このような水で風船のように膨らまそうとしても、縮む力と力比べになり、膨らまそうとしてもうまくいきません。そこで、出てくるのが、洗剤、特に台所にある中性洗剤です。これはどのような性質があるのでしょうか?
11. では、さきの浮いているゼムクリップの水面に、ようじにつけた中性洗剤で触れてみましょう。ゼムクリップはどうなりましたか?沈んでしまいました。ということは、どのようなことが起きたのでしょうか?
12. 中性洗剤は、先の水が縮まろうとする「表面張力」を弱めるのでゼムクリップの押す力が勝って、沈んだのですよ。
13. さて、水と中性洗剤の性質を知ったところで、膨らむシャボン玉を作りたいのですが、どのくらい少ない洗剤でシャボン玉を作れるか? 今日は、単純ですが、実験で求めてみましょう。
14. まず、実験ですから、次の順番に考えましょう。
予想:どのあたりの薄さか? 10倍? その理由は?
実験方法:予想が正しいか、どのように調べましょうか?
シャボン玉液の作り方は?:
いくつもの種類の液体を作る?
⇒サンプルとして、代表的なものを用意。
シャボン玉の作り方は?:
ストローで作る?
だれが?
いつも同じ条件になる?
たまたまうまくいったりしない?
ちょうどよいかどう判断する?
大きさを比べる? 割れずにいる時間を比べる? 触ってみる? 弾む回数を比べる?
結果のメモ:
何かに書き残す?
どの組み合わせを実験したかわからなくなるので、組み合わせ表を作っておきましょう。

15. では、水に溶かす中性洗剤の量を考えます。水は、リットル、ミリリットルの単位で表します。中性洗剤はかなり強力なようですから、1滴ずつ考えたいのですが、1滴の量は何リットル、または何ミリリットルでしょうか? どう測ればよいでしょうか?ここに小さなスプーンがあります。これは2.5mlです。考えてください。
16. この2.5mlスプーンに何滴でいっぱいになるかやってみて、2.5mlをその数でわればよいですね。75滴で2.5mlがいっぱいでした。よって、約0.03ml。
17. では、どうシャボン玉を観察すればよいでしょうか?
①膨らむか?ふくらんだら、そのおおよその直径を比べたいですね。
 直径5cmと10cmの型紙と比べて、だいたいの大きさを測定する。
②膨らんだシャボン玉は丈夫なのか比べたいですね。どうしましょうか?
 フエルトの上ではずむか? 弾んだら回数を比べる。
18. 行うことを表にしましょう。

液 (水:洗剤) 中性洗剤 大きくふくらむか? 直径 cm はずむか?
はずんだ回数
100ml 1滴
5滴
10滴
20滴
30滴
40滴
50滴
100滴


19. では、液を作りましょう。5つの紙コップの外側に番号を書いて、分かるようにしておきましょう。混ざらないように各コップとストローを組にしておきます。
20. 計量コップで、100mlの水を5つのコップに入れます。
21. 次に洗剤用のコップから、スポイトで洗剤を取ります。洗剤用コップの上で、スポイトを軽く押して、一滴が出せるか、練習してください。これができたら、各水の入ったコップに予定した滴数を測って入れます。泡が立たないように静かにストローでかき回して混ぜます。そのストローとコップは、ペアとしてコップに入れておいてください。他と混ぜてはいけません。コップの担当を決めてください。




22. 最初だけ、私が説明しながら、進めます。(ひと液 5分x5=25~30分ぐらいか?)
23. まず、1番のコップの液体(1滴しか入れていない)で、ペアとしたストローでシャボン玉ができるか、できたら、どこまで大きくできるか、できたシャボン玉をストローからシャボン玉を切り離し、フエルトの手袋の上でやさしく弾ませることができるか?何回、弾ませられるか?測定してください。また、シャボン玉をよく見て観察してください。
本来は一人で全部行う方がよいですが、今日は、みんなに体験してもらいたいので、コップごとに担当を決めてください。




24. 1番の液にストローの先を付けて、静かに息を入れてシャボン玉がどこまで膨らむか、大体の大きさを測ってください。2回。




25. 次に、もし、シャボン玉ができるのであれば、シャボン玉を観察してみましょう。
26. 表面は、どう見えますか? 虹色の模様が動いていますか? なぜ、そのような模様ができるのでしょうか?
27. どうも、表面のシャボン玉液は下の方に下がっていき、上の方が薄くなって割れてしまうようです。
28. できたシャボン玉を宙に浮かせて、乾いたフェルト生地か軍手で静かに上に向けて弾ませてください。その回数を測定。これを2回行って平均回数(1回ごとの回数を合計して2で割る)を表に書いてください。
シャボン玉を吹く人。 弾ませる人。数えて平均値を計算する人。大きさ。高さ。

29. さて、これを、2番の液~5番の液まで測定です。
30. 観察結果からどのようなことが分かりましたか?話してください。
31. まとめです。
濃い洗剤のみでも、シャボン玉はできる。
xx倍に薄めてもシャボン玉できる。
yy倍に薄めると、シャボン玉できない。
ちょうどよく大きく膨らむのは、zz倍。

32. 濃すぎても薄すぎてもうまくいきません。なぜでしょうか?
濃すぎる:粘りすぎて、膨らまない。
薄すぎ:水の表面張力が勝ち、縮んでしまう。
33. さて、今日は、「シャボン玉液を作る」という簡単な実験でした。これにより、分かってほしいのは、実験は、予想⇒実験⇒確認⇒次 のように考えること。そして、実験方法は、一定であることを考えることです。
34. 夏休みなどにやってみたらと思いポイントを話します。
割れにくいシャボン玉を作るにはどうするか?
何をまぜるか? どのようにして割れにくいと判定するか?
35. さて、最後にこんな表面張力の実験をしておきます。
よくできたシャボン玉液のコップに、針金で作った形を入れてみます。
金魚すくいのような輪は、膜ができます。 
では、三角錐、四角錐の膜はどうなるでしょうか?確認とスケッチだけして終わりましょう。家で考えてください。




説明:
コップに水をすり切れ入れても、横から見ると、こぼれずにふくらんでいるように見えませんか?これは、水の粒(つぶ)たちが手をつないで小さくなろうとしてがんばっているので。これを「表面(ひょうめん)張力(ちょうりょく)」と言います。ゼムクリップがしずまないのは、この力と重さがおしくらまんじゅうして、つりあっていると言えます。
そして、台所にある「中性(ちゅうせい)洗剤(せんざい)」を入れると、水の表面張力を弱める作用があり、ゼムクリップの重さが勝って、しずみます。
シャボン玉は、なぜ、ふくらむのでしょうか? 水だけではアワは、すぐちぢんでしまいますが、「中性洗剤」を水に入れることで、水の表面張力を弱めるので、うすい膜ができて空気を入れても伸びて玉ができるのです。














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