牛肉の輸入禁止に見る米国のわがまま
最近、牛肉の商売に対する米国と日本の姿勢に見える違いが気になっています。
今年に入って米国からの牛肉輸入が再開されたとたん、チェック漏れから危険部位の混入が発覚しました。米国は謝罪し、日本は再び輸入禁止。しかし、米国内では、今回問題になった部位を日本だけが危険としていることに対し、不満も出ています。
BSEに関わる牛肉輸入の問題、私は、元々なんかしっくりきません。商売というのは、お客の要望に沿った品揃えをするところから始まると思っています。お客が美味しくない、いらないという品物を、いくらそろえても売れません。今、米国のやっていることは、俺は美味しいから、俺たちのやり方がスタンダードだから、お前たちも買えと言っているようなもので、自由主義国での商売の原則から外れているとしか思えません。かつてのソ連や一部の国では、こんな商売の仕方があったのかもしれませんが・・。
日本企業だって(最近は自信を持って言い切れない事件が数多くありますけどネ)、例えば電気製品を売る時、相手の国の実情に合わせて、使い易く改良したものを売り込んできました。実情に合わせた改良、売込みをしたから、売れたわけです。日本ではこのような使い方をするから、あなたの国でも同じように使いなさいでは、売れるものも売れません。
どうも、牛肉だけでなく、自動車、電気製品など全てのもので、米国は自分たちのものが、考え方が最も優れており、相手がそれにあわせるべきだと思っているフシがあります。米国だけではありません。中国も、ヨーロッパも。最近は日本でも同じになってきました。企業だけでなく、国民生活も、感情も!
日本が歩んできた道のりは、すべて失敗だったわけではありません。失われた10年、その後の失敗で、日本型経営も、日本型成長も自信を失ってしまいましたが、あるべき姿は自信を持って主張するべきだと思います。
たかが牛肉の輸入ではすまないのです。物を売り、買うということは、自由主義、市場主義の根幹を象徴する問題なのですから。