久々に「ヤキュウ」
野球、WBCの話はニュースやブログにかなり出ていると思いますが、私もあえて書くことにします。もちろん、野球好きだからです。
昭和30〜40年代に子ども時代をすごした私にとって、スポーツの中で野球は別格な存在です。
東京オリンピックでの女子バレーボールチームの活躍や札幌オリンピックでのジャンプ競技の笠谷、金野、青地の活躍など、色んなスポーツを見て、好きになって、楽しんできました。今はサッカーも好きですし、十代後半から20代にかけてはラグビー一辺倒でした。
しかし、子どもの頃に全盛期だった長島選手や王選手への憧れ、中学時代に毎回欠かさず見ていた「巨人の星」の影響、は、それらを上回ってこころの奥底で野球を別の場所に移動させ、別格の存在に位置付けているのです。私の年齢以上の日本人世代は、ご贔屓チームの戦績によって表情は激変しますが、こころの内では、多かれ少なかれそんな感じではないでしょうか。
この3週間ほど、久々にこころの中の野球の扉が全開しました。もちろん「ワールド・ベースボール・クラシック」のせいです。なぜ「クラシック」なのか意味が理解できないでいますけどね・・・。
国・地域別対抗戦と言うとおり、国を代表しての戦い、それも自分の中で別格の存在であるスポーツの世界一決定戦ですから、気にならないはずもありません。
日本が初代王者に輝いたことで、さらに感情が高まります。最近元気のない日本のプロ野球界を刺激するだろうし、やや身を引き始めていた私たちファンのこころの扉を開かせたように思います。
極論すれば、政治、経済、文化どれをとってもずーと元気のなかった日本に、少し勇気と自信を思い出させてくれたとも考えます(・・・・・政治は無理かな?まともな人たちが少ない集団だから!)。
参加しない大リーガーの存在、誤審などの運営の問題もありましたが、運も味方した日本の優勝は、はじめて十六カ国・地域が一堂に会した大会を考えれば十分価値あるものだと思います。
シーズン突入前の三月の開催とあって調整不足は否めない感がありましたが、その辺を含めてきっちりと気持ちと体の調整をしてきた国が、韓国と日本、そしてキューバだったと思います。米国、ドミニカなど大リーガー中心の国は、どことなくお祭気分で気持ちの面で遅れをとっていたように思えます。
また、キューバの選手は、「お金ではなく、国のために戦う我々の野球を見せることができた」と語っていましたが、何度もこの言葉が出てきたのは、一方で、名誉もお金も得られる米国、日本、韓国などのプロスポーツの世界への憧れが表れているとも言えます。
いずれにしても、この一回で終わらせることなく、真の世界一決定戦へと発展させるとともに、野球の一ファンとしては、いずれは、チームごと本当の意味でのワールド・シリーズも実現して欲しいと考えます。