昔のCMに「芸能人は歯が命」というのがありました。分かってはいるのですが、ついつい予防(歯磨き)がおろそかになり、治療も先送りになってしまいます。
最近は、職場で昼食後に歯磨きする人も多くいますが、よっぽど切実感がないと続きません。本当は、単に歯磨きだけではなく、正しいブラッシング法、食習慣の改善、年代に応じた予防策など、さまざまな点から歯を大切にすることが必要なのだそうです。
何をやっても三日坊主の私には、到底無理なことです。当然、虫歯があります。挙句に、ちょっとぐらい歯に違和感があっても、「チュイーン」「ガリガリッ」というあの音を思い出すと、歯科医院には足が向きません。
かなりひどくなってから、つまり痛みが引かないとか、歯が割れてしまったとかにならないと歯科医院には行かないのです。実は、前回の治療から6ヶ月以上が経ち、行きつけの歯科医院からは定期診断の誘いの葉書が来ているのですが、なかなか行けないでいるのです。しかし、放置すればする程、余計に手痛いしっぺ返しを受けることになります。もちろん分かってはいるのですが・・・。
本当は、虫歯治療は早期であればあるほどよいのです。歯は通常、上下にそれぞれ16本ずつあり、前歯は食べ物を切るよう薄く、臼歯はすりつぶすように平べったい。
口の中には、ミュータンス菌をはじめ虫歯の原因になる様々な菌が居住者として住んでいます。菌は、口の中に糖や炭水化物が入ってくると、それをもとに酸を作り出します。この酸が歯の成分を溶かす原因になって、虫歯が発生してきます。
よくC1とかC2
とか言いますが、C1という段階では、歯のエナメル質の溶け始めです。まだまだ、自覚症状はありません。これが、C2になると象牙質の部分まで溶け出している状態になり、冷たい飲み物などで染みるようになります。
ここまで来ると虫歯は一気に進行します。神経や血管が通る歯の髄までくると、激しい痛みが出てきます。C3と言われる段階で、ここまでにならないとなかなか歯科医院に足が向きませんが、これでは治療にも限界が出てしまいます。
そして最後C4になると、歯はほとんど壊滅状態。戦国時代で言えば、城の陥落です。歯の根っこが炎症を起こすこともあり、膿がたまるなどの症状が出ます。
歯科医院では、C1やC2の段階では、歯を削って詰め物をする治療が中心です。C3の段階になると、いわゆる「神経を抜く」治療をします。神経を抜かないと痛みが治まらないのですが、抜くことで、歯はもろく、折れやすくなります。
ここまでは、何とか歯を残す治療ですが、C4の段階では歯自体を抜くことになります。神経を抜いても自分の歯があればいいですが、歯を抜いてしまってはもう自分の歯は生えてきません。したがって、治療は早ければ早いほどいいわけです。
歯の治療では、特にさし歯やセラミックの詰めもの、金のかぶせものになると、費用の問題も出てきます。使う材料や技法によって、健康保険が使えないことになるからです。最初に書き込んだ通り、だからこそ、予防であるわけですが、結局、痛みが出るまでは真剣にならない。こんな繰り返しです。
現代は、歯科医院があり、入れ歯もありで何とかなってしまいますが、大昔のことを考えれば、歯がないことは、生きていけないことを意味しているのです。芸能人ばかりではなく、人間はみんな「歯が命」ということです。
分かっているんですけどね・・・・・!