「熟古勝新」−古いものを使いこなして、新しいものに勝つ−

表題の「熟古勝新」−古いものを使いこなして、新しいものに勝つ−は、「温故知新」をまねして私が勝手に創造した四文字熟語です。他では使わぬように願います。「熟」は「身につけた技術で思うままに使う」という意味があり、「こなす」ということです。

先ごろ新聞を見ていたら、最新型の検診方法によるがん検診で大多数の見落としがあったという記事が出ていました。

近年、運動や食生活などの健康づくりからサプリメント(補足する栄養素ということだそうです)や健康食品まで、健康に関心を持つ人が増えています。もちろん、様々な検診も行われていて、受診の好き嫌いはありますが、検診結果でほっとする人は多いのではないでしょうか。しかし、その検診技術、それも最新と思われていた検診で、実はかなりの癌の見落としがあったというのです。

東京の「国立がんセンター」によると、内部調査で、PET検査によるがん検診では、85%の見落としがあったと言うのです。PETとは、改めてインターネットで調べてみると、ポジトロンCT(陽電子放出断層撮影、Positron Emission Tomographyの頭文字をとってPETと略します)は、核を利用した医学診断法の一つです。

そのまま記載すると、「ポジトロンを放出する放射性同位元素で標識された薬剤を被検者に投与し、その分布をPETカメラで断層画像に撮影することによって、脳・心臓など臓器の局所機能を画像に描出し、病気を診断する検査法です」とのことです。
「従来の画像診断法は、X線CTなど臓器の形態を撮影するものが主でした。ポジトロンCTは放射性薬剤の局所体内動態を追跡することによって、血流、代謝、神経受容体など、臓器のはたらきを測定できる点に大きな特徴があり、病気の本質を診断しその原因に迫ることができると期待されています」と、検診技術としては期待の大きなものだそうです。

全身にある小さな癌を一度に発見できると、検診の切り札として期待が大きかったのに、今回、効果に疑問符がついてしまいました。

「国立がんセンター」が設置した「がん予防・検診研究センター」で、一年の間に約3000人が、色々な方法の検診のほかにPET検査を受け、そのうちの5%、150人に癌を見つけたそうですが、150人のうち、PETで癌と判定された人は23人しかいなかったのだそうです。残りの人は、従来の超音波、CT、内視鏡など他の方法で癌が発見されたというのです。

PETは、約十数年前ぐらいから使われ始め、現在は、100近くの医療機関が導入して、多くで癌の検診にも使われているようです。実は、癌検診には保険がきかないため、10〜20万円程度の費用がかかるのだそうです。なんと、PET検診と温泉ツアーなどをセットにした旅行企画も売り出されているのだとか!それだけ、期待が大きかったのだろうと思います。

最新技術=最高効果、とはいかない事例です。逆に、古いものを近いこなすことができると、新しいものより効果があるということでしょうか?私たちの身の回りにもありそうな感じがします。
表題の四文字熟語はここから来ています。

まぁもっとも、私はサルですから、病院・検診嫌いで何の関係もありませんけど・・・・。「そういうサルほど、病気になって痛い目に遭うぞ、もっと痛いのは家族だぞ!」という声が、隣から聞こえてきそうですけどね!