ハート バチスタ手術体験記   bigban-16
絶望から希望へ!! 難病の特発性拡張型心筋症に罹り心臓移植を勧められたがバチスタ手術をした 私の体験記。拡張型心筋症でバチスタ手術をするまでと、その後をつづったもの。  番外 告知について(H10.11.15記)

ビックバン−16 番外 告知について(H10.11.15記)




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自分の場合、病名と病気の重大さについていつ知ったのだろう?

 昭和63年に会社の健康診断で、心電図に異常があると言われる。 平成4年より内科にかかる。平成7年9月心不全で9日間入院。平成 10年5月二回目の心不全で12日間入院。  平成10年5月の入院(退院)時に、主治医より決定的なことを聞 かされる。

 曰く、会社は辞めた方がよい。突然死のおそれがあるので、車の運 転はしない方がよい。・・・・・・・etc。あげくは、心臓移植を 希望するならしかるべき病院を紹介する。

 このままでは、あと×年(もっともこの年数・余命については本人 には、聞いても最後まではっきりとは言わなかった。こちらもいろい ろと調べていたので、退院後の診察時にもしつこく聞いたが、「あな たが思っているとおりだ。知らない方が良い。」というだけ。) 拡張型心筋症の生存率は5年50%というのは退院後に何回か話に出 していたので、お互いに知っている。

 と言うことは、Drは5年以内よりも、もっと短いと思っている。 第一、移植をすすめた位だもの。

 ここまでになる前の、病名が判明した時から第一回目の心不全、第 二回目の心不全になるまでの間に医者からどういう説明をしてもらっ ていたのだろう?

 今思い出すと、生活していく上での対応・注意、日常生活での注意 事項について、あまり真剣に考えなければならない様な説明・注意事 項についてされなかったように感じる。

 医者はどうせ心臓移植しか治療法がないので(実質的には心臓移植 はできないので)患者はなにも知らない方が良いと思っていたのか?  すくなくとも5年50%とか、心臓移植をしなければ助からないなど の説明はされたことがない。自分を診てきたDrは5人はいたが、み な「本人は知らないほうが良い」と思って詳しい説明をしなかったの か?

 いわゆる「病気の告知」についての疑問点がいくつかあり、自分の 場合いつ告知されたのか? いつ頃告知されるべきだったのかと、今 思うと二つの点について疑問を感じる。

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 今思うと、少なくとも第一回目心不全から第二回目心不全までの間 の医者の対応に疑問を感じるところもある。もちろん「告知」して全 てを患者に理解させることのデメリットもあり、非常にむずかしいと は思うが?

 自分の場合でも、この二年半の間知らなくとも良かったとも思うこ ともある反面、知っていればもしかしたら二回目の心不全の時期をも う少し遅らせることができたのではないか、日常生活での規制により 少しでも遅らせることができたのではないかと思ってしまう。(もっ とも自然進行を遅らせることはできないだろうが)

 インターネットにあった論文(要旨だけだが)を読むと、日常生活 で無理をしたために(病状に比べて過度の運動、暴飲暴食など)心不 全を起こした事を指摘しているものがあった。これは勿論患者も悪い だろうが、医者の説明不足も多いにあるのではないかと思う。たぶん 「ここまでしたらこうなる」ということを説明していないのではない かと思われる。

インターネットの論文
  ・急性増悪を繰り返す慢性心不全患者の増悪要因
  ・カルグートからアカルディに薬剤変更後心不全症状の改善を認めた 一例

 また、看護マニュアル 「DCM患者の看護」 を見ると、「自覚症状がないため、入院・検査・治療に対する必要性 を理解しがたい」というタイトルの章がある。まさにその通りであろ うが、自分の経験・論文などから「医者のほうも理解させ努力をあま りしていない。理解させるための情報を説明・提供していない」と感 じる。

 我が例でいくと、第一回目の心不全のあと「激しい運動は止めたほ うがよい」との説明はあった。これについては、当然ながら階段の上 りなどにより息切れを起こすため、医者に言われなくとも自然と自分 から避けるようになる。

 だが、もっと症状が進んだ時のこと、進んだらどうなるのかについ ては説明されていない。「自分から進んで説明を求たり、病気のこと をもっと良く調べない」方がいけないのだと言われればたしかにそう なのかも知れないが、どんな病気かも良くわかっていない患者からす ればちょっとできない事だと思う。

 もう少し踏み込んだ説明がされていれば、ある程度の対策、日常生 活における注意なども、もう少しとれたのかなと思う。

 ある、拡張型心筋症の資料によると「二回目の心不全がおきたら、 運動制限、塩分制限などをしなければならない」と書いてあったが、 これでは手遅れでないかと思う。まして、二回目の心不全のあと 「あと×年」「心臓移植を考えたほうが良い。希望するなら病院を 紹介する。」などと言われた日には手遅れもいいとこ。

 全てを知ってしまった場合「予後不良であり、不安・絶望感を抱く」 (「DCM患者の看護」より)のは間違いないであろうし、5年前、 4年前、3年前に「あと5年」「あと4年」「あと3年」と言われた 場合はどうなるのか想像もつかないが。そのへんの兼ね合いが当然あ るだろうし、各人それぞれ受け止め方が違うので、非常にむずかしい ところだろう。それにしても、ある日突然「あと×年」「心臓移植が 必要」などと言われるよりはましではないだろうか?

 予後の「あと×年」は別にしても、日常生活での注意事項と、ある 限界を超えてしまった場合にどうなるのか(当然、心不全で入院とな る)、その後さらに悪化した場合どうなるのかについては、患者に説 明する必要があると思うし、説明しなければいけないと思う。

 「治らない」という事は、死ぬまで病気と付き合っていかなければ ならないので、「長く付き合う」には、病気の事を良く知る必要があ り、知っている方が良いのではないかと思う。

 それにしても
  「治らない」は言えたにしても、
   生存率が5年50%などはなかなか言えないのだろうな。
   まして「あと×年」というのは、本当に決定的にならないとなおさら言えないか。

 聞く方(患者)が耐えられないか?  こんな人もいたそうである。
 ある病院で「拡張型心筋症」の人が、「心臓移植でしか助からない」 と宣言されたショックによる鬱症状になった。

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 もう一つの点は、医療費補助、特定疾患認定のこと。

 二回目の心不全での入院の終わり頃、妻と難病のことについて話を していた時に難病の公費負担(補助)の事を思い出し、病院のケース ワーカーに相談したところ「特定疾患制度」の事を教えてもらった。  それで、主治医にも話し診断書を書いてもらい申請した。主治医は 制度について知っており、今年から制度見直しにより患者の自己負担 が増えることなどについても知っていた。

(注:今年5月より制度見直しにらり、それまで全額公費負担だった ものが一部患者負担になった。)

 なぜ医者はこの制度について話をしてくれなかったのだろう。自分 の場合は、心不全での入院期間がそれほど長くなく(第一回目 9日 間、第二回目 12日間)たいした自己負担はなかったが、長期間 入院した場合はかなりの負担になる。

 特定疾患の申請のタイミングとしては、少なくとも
  病名確定時
  第一回目心不全入院(退院)時
  第二回目心不全入院(退院)時
の三回はあったと考えられるが、いずれも主治医からの話はなかった。 二回目の心不全入院時の主治医を含めて、皆制度の事を黙っていたの はなぜだろうか?
 普通の人・患者は病気のことすら良く知らないので、こういう形の 医療費補助制度があることなど知る由もない。

 やはり「告知」とのからみで、黙っていたのだろうか?

 この三回のタイミングの時の主治医は全てが違う人であり、特定の 医者のみのことではない。医者は病気の治療のみやっていればよく、 そのようなこと(特定疾患治療事業、患者の医療費のことなど)につ いては、全然気にする必要はないとおもっているだろうか?

 毎日新聞の記事「難病患者はいま」(H10.5.16、H10.5.31)にも同 じように病名は告知されても医者から「特定疾患制度のことを知らさ れなかった」という人の話がででいた。こういう人がけっこう多いの ではないか。医者が知らないのか? 知っていて言わないのか?  医者が制度のことを知らないはずはないと思われるので、やはり知 っていながら言わないのだろう。

 特定疾患の申請をするということは、病名がはっきりわかり、申請 時に病状データーを患者に知らせることになるのである意味では「告 知」以上に患者にとって厳しいことになるので最後の最後まで黙って いるのであろうか? (注:申請用の診断書は申請者本人が見ること ができる。医者により違うのだろうが、たぶん通常患者に説明するデ ーターよりももっと詳細なデーターが診断書には書かれる。病名の告 知とはいっても、拡張型心筋症はガンなどに比べれば普通の人は知識 がないので説明されなければそれほど怖い病気と思わないこともある。 自分の場合がそうだった。)

 もっとも自分の主治医は、妻に「あと×年」と言ってからも特定疾 患制度の事は、こちらから言い出すまで「知っていながら」黙ってい た。

 助からない、あと×年、などがわかる病気については、あまり早く 言えないのか? 告知できないのか?

(「ガン」などでも、治療法が確立されていないものはそんなに早く は告知していないような気もする) 

以上

急性増悪を繰り返す慢性心不全患者の増悪要因
JOURNAL of CARDIOLOGY Volum31 No4 April
http://square.umin.ac.jp/jcc/journal/JCback/abstractJ/314-3J.html

Denopamine(カルグート)からPimobendan(アカルディ)に薬剤変更後 心不全症状の改善を認めた一例 JQ:9603302
http://www.aibusiness.com/ctdsmp/3302.HTM

DCM患者の看護(再掲 ビックバン−08で紹介ずみ)
http://www.umin.ac.jp/Kango/B/B10

特定疾患治療研究事業
http://www.nanbyou.or.jp/nanbyou/2byouki/mwnu01.html

同上概要
http://www.nanbyou.or.jp/nanbyou/2iryouhi/outline2.html

以上


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