バチスタ手術体験記 inplant2-02|
6月14日(土) 朝から点滴の量を減らし、飲み薬を使う。 メキシチール 50mg、朝昼夕。ペプリコール 朝昼。 午後1時頃、トイレに行こうと立ち上がってすこししたら、いつもの不快感。急に脈が上がる。 かなり早い。前にも何回かあったが、30秒ほど続く。 ナースに心電図モニターをチェックしてもらうと、脈が60から70に急に上がっていたが、特に 問題はないという。 でも、胸の不快感はVTの時とほとんど変わらず。これがもっと続いて起こるとVTに移行するような 気がしてとても怖い。 6月15日(日) 午後3時すぎ、点滴(抗不整脈薬)を止める。飲み薬のペプリコールは1週間程度経たないと効 いたかどうかわからないという。 午後5時半すぎ、昨日と同じように急に脈が早くなる。20秒位で止まる。ナースに確認してもらうと 60から80に上がっていた。昨日とまったく同じ。 午後6時40分、再びさきほどの気分の悪さ。今度はすぐに止まらず続いている。脈は100を 越えているようだ。 その直後 VT発生。 電撃のショック1回。「あっ」と叫ぶ。 家であったように、続いて2発目、3発目と・・・・・・・・計5発。ほぼ連続でショック。 それでもVTは止まらず。 血圧120(以外と上がっていなかった)。脈は160位。 ナースは血圧を測り、心電図モニターを確認するくらいで何もできず。(なにもせず) 少しして当直のDrが来て、点滴を注射のように入れる。マグネゾール50ml一本。キシロカイン その他。 その後、すぐに落ち着いてきて、7時30分頃にやっと止まる。 この時のDrが次ぎのように言った。 「アダムストーク症候群(不整脈(頻脈)があらしのようにおそう)のようだ。 この状態ではICDの電気ショックをかけても止まらない。」 ICDで止まらなかったのはこれで2回目。 いずれもICDは「用をなさなかった」。 点滴で止まることは間違いないが、点滴に代わる飲み薬がなさそう。 アンカロンが使えればいいのだが、これは使えない。 アブレーションもあまり期待できない。 ということは、「病院を出られない?」 今のところVTを押さえるには点滴しかない。 やはりこの夜は寝付けない。 まだ最終的な結論が出ているわけではないが、今は治るという期待がまったくもてない。 今まで感じたことのない絶望感に襲われる。 昔のこと、妻との出い、子供の事などが止めどなく、走馬燈のように思い出される。 朝方には、自然と涙が落ちてき、いつまでも止まらなかった。 絶望的な涙を流したのはこれで2度目。 1度目は丁度5年前。 5月に心不全で入院した時。退院直前にDrから言われた。 「もうこの病院ではできる治療がない。心臓移植するなら病院を紹介する。」 この時は、とても冷静(?)に受け止められ、すぐには動揺しなかった。 その後、間が経ってから、今後のことを思うと涙が出、止まらない事が幾たびかあった。 妻も何度も涙が止まらなかったときが幾度もあったと聞いた。 バチスタから5年経ち、今度のICD植え込みで少なくとも数年はいけると思っていたが、 すこし早まりそう。 6月16日(月) 今朝、TVで歌手の吉田たく郎が肺ガンになり、手術で治り復帰するという話題をやっていた。 肺ガンがなんだ、手術して75%の肺活量しか無くなったというが、75%がなんだ、一応 治ったんだ。 こんなの大した事ない。 こっちは心臓の力が20−30%しかないんだ。不整脈だってすごいぞ。ICDでも止まらない。 今のところ不整脈を押さえる薬もないんだ。完全に治るには、もう(心臓を)取り替えるしかな いんだ。 9時頃、またすごく早い脈。VTがきそうな感じ。 すぐにDrが来て、点滴を追加する。追加したらすぐに治まる。 この時、今後の予定を話してくれる。 25日にカルト(特殊な装置)を使ってのアブレーションを予定していたが、VTが出たので急遽 あさって18日に通常のアブレーションをする。 今、VTがすごく出ている。出やすくなっているので、たぶんアブレーションができると思う。 また、25日にカルトがくれば、これも行う。 (どれくらい効果を期待していいんだろうか? それほど大きな期待はできない気がする。) この日も色々思い出し考えながら、日記のようなメモを書いていたら涙してしまう。 12時過ぎ、急に脈が早くなる。90近い。これ位になるととてもいやな気分。いつ、もっと早 くなるか、VTになるのではと思ってしまう。こんな事が、続くと精神的に参ってしまう。まるで 「爆弾ゲーム」。いつ爆発するかわからない爆弾を抱えている。いったん爆発したら次から次に爆発 し、いつ止まるかわからない。 こんな恐怖に襲われる。 ものすごく神経が高ぶっているので少しの脈の変化でも普段以上に感じてしまう。 夕方、再びDrから説明。妻も同席。 内容は先日来聞いている事と同じ。
でも、これが効けば助かる? 値段によっては買えないかも知れず。アブレーションが効かなかったときの唯一の頼みの綱。 使って見ないことには本当に効くかわからないが、現他段階ではこの薬しかないという。) 今は、Drの薦める方法、薬を全面的に信頼し、ついて行くしかないのだが、 「もしも、アブレーションが効かず、(あまり期待していない) もしも、もしも、その薬が効かなかったら・・・・・・・・・・・」 と、悪い方向に考えが行ってしまう。 今度ばかりは、ダメージを受ける。 再び、救いようのない絶望感に襲われる。 Drからの説明は、昼間、妻と二人で聞いたのだが、夜になり、一人になってから あらためて思い浮かべ、考えると、
と、思ってしまい、涙がとめどなくほほを流れ、いつまでも止まらなかった。 この夜もはまったく眠れず。 こんなにも涙した事は、今までなかった。 以上 |