拡張型心筋症の原因
- 拡張型心筋症の原因は現在のところ判明していない。
しかしながら、ウイルス性心筋炎の関与、遺伝的素因、免疫異常、栄養のかたより、飲酒などが
悪影響を及ぼすこともあるといわれています。
最近では、原因遺伝子も見つかっており、遺伝子治療も開発されつつある。
- ウィルス原因説
- C型肝炎ウィルスが特発性心筋症起こす。 京大講師が研究発表
肝臓ガンの原因になるC型肝炎のウイルスが原因不明の心臓病の特発性心筋症を起こす原因の
一つである可能性が高いという研究結果を京大病院第三内科(篠山重威教授)の松森昭講師が
30日、東京で開かれた特発性心筋症国際シンポジウムで発表した。特発性心筋症は心臓の筋肉に
障害が起こり、根本的な治療法がないため、重くなると心臓移植でしか助からない。ウイルスが
原因とすると、心筋が炎症を起こした初期段階でウイルスを排除する治療法も考えられるという。
特発性心筋症には、心臓の筋肉が薄くなりポンプ機能が低下する拡張型と、異常に厚くなる肥大型
がある。
松森講師は、6年前、拡張型心筋症患者の心筋細胞からC型肝炎ウイルスを発見、
ウイルスと特発性心筋症の関連を調べてきた。その結果、肥大型心筋症の患者9人の血液中から
C型肝炎ウイルスの抗体を発見、このうち心筋を直接検査できた5人全員の心筋細胞からウイルス
を検出した。
厚生省の特発性心筋症に関する研究班も、肥大型心筋症682人中71人
(10.4%)の血液中からウイルスの抗体を検出、拡張型心筋症では651人中41人(6.3%)から
抗体を検出した。松森講師は「献血時の検査ではC型肝炎ウイルスの検出率は1%なのに比べると
特発性心筋症の患者からは高率で見つかっていると話している。
[1997年10月1日 読売新聞]
循環器疾患版 C型肝炎ウイルスと心筋症 心筋症の有力原因としてC型肝炎ウイルスが浮上
(medical-tribune メディカルトリビューン 1998年4月23、30日号/(VOL.31 NO.18、19))
C型肝炎ウイルス感染による心筋症発症の機序に関する検討 松森 昭ほか (難病情報センター)
- コクサッキーB型ウィルス
拡張型心筋症を引き起こす可能性の高いウィルスを、大阪医科大学の北浦泰教授らの研究チームが
突き止めた。
同チームではこれまでに発症との関連が指摘されていたC型肝炎ウイルスやインフルエンザ
ウィルスなど9種類のウィルス感染の有無を26人の患者で調べた。その結果、9人が
「コクサッキーB型ウィルス」と呼ばれるウィルスに感染していることが分かり、ほかのウィルスは
見つからなかった。さらに、このウィルスが見つかった9人のうち7人では、ウィルスが心筋で活発
に増殖していることを確認。
[2000年11月16日 読売新聞]
- 遺伝子原因説
-
遺伝性心臓難病(心筋症)の新たな原因遺伝子と発症機構を解明-日本人研究者ら、
35年来の謎を解く - (平成9年12月9日 理化学研究所)
肥大型、拡張型のいずれにも、同じ結合たんぱく質に作用する遺伝子が欠損
していることが分かった。
(理化学研究所の新聞発表資料)
- 肥大型心筋症の領域で,遺伝子解析が急速に進展している。
1990年に心筋βミオシン重鎖の変異が見出されて以降,現在までに7種の原因遺伝子が報告されている。
遺伝子異常から発症に至る道筋はまだ明らかではないが,原因遺伝子と病態との関連が一部判明
しつつあり,予後の予測も可能になりつつあるという。日本では,厚生省特定疾患特発性心筋症
調査研究班における全国規模の共同研究により,遺伝子レベルでの解析が進められてきた。
- 拡張型心筋症ではないが、若年者の急性心不全の原因となる遺伝子についても
突き止められつつある。
急性心不全の遺伝子同定に一歩前進
(medical-tribune メディカルトリビューン 1999年3月18日 (VOL.32 NO.11) )
- 難病・心筋症に初の遺伝子治療 阪大グループ開発
大阪大医学部の研究グループは心臓の筋肉の収縮力が低下する難病、心筋症に対する世界初の遺伝子
治療法を開発した。血管を作らせる物質の遺伝子を心臓に注射し、心筋内の血流を改善するとともに
心筋の柔軟性がなくなる線維化を抑える。
[1999年12月15日 読売]
【この遺伝子治療法は「拡張型心筋症」に効くのだろうか? 心筋症といってもいろいろある。(snakajii)】
- 重症心臓病に遺伝子治療 東大教授ら、ハムスターで成功
東京大、自治医大、新潟大の共同研究グループが、拡張型心筋症の一部に有効な遺伝子
治療法を開発したと発表。
[2000年01月29日 朝日、毎日]
- 加齢による心不全の遺伝子治療
米マサチューセッツ総合病院の研究グループは、加齢によって起こるうっ血性心不全の遺伝子
治療実験に成功した。老齢マウスの心臓に治療用遺伝子を組み込み、心機能の低下を改善できる
ことを確かめた。人間でも同様の治療効果が得られると期待している。
遺伝子治療に使ったのは、心臓の筋肉細胞内でカルシウム濃度を調節している
「SERCA2a」と呼ぶたんぱく質の遺伝子。加齢によって心臓の拡張機能が低下し、
うっ血性心不全の症状を示している生後二十六カ月のマウスに遺伝子治療を実施。治療二日後に
は心臓の拡張機能を回復していたという。
(2000年2月28日 日経産業新聞)
- 「拡張型心筋症」原因は免疫異常
本庶佑・京都大大学院医学研究科教授(分子生物学)らのグループが、免疫にブレーキをかける
遺伝子の故障した自己免疫疾患で発症する可能性が高いことを、マウスを使った研究で突き止めた。
研究グループは、免疫をつかさどるBリンパ球が過剰に働くのを防ぐ「ブレーキ役」のPD−1
受容体を失わせたシロネズミ28匹を観察。40週で3分の2が死亡した。死んだネズミの心臓は、
正常な心臓と比べ約三倍に肥大し、拡張型心筋症を起こしていた。
Bリンパ球のブレーキが壊れると、細胞など体内に侵入した「敵」と自分とを区別なく攻撃し、
自己免疫疾患を起こす。
本庶教授は、「複数の原因の一つとして免疫異常があると考えられ、新たな治療法の手がかりに
なる」と話している。
(2001年1月12日 読売、朝日、毎日、日経)
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