ハート バチスタ手術体験記 知っておきたい情報 ペースメーカへの影響 「暫定ガイドライン」
拡張型心筋症関係で知っておきたい情報・携帯電話等がペースメーカ、ICDに与える影響 「暫定ガイドライン」

最終更新日
 2000年3月12日(日曜日)
知っておきたい情報
===携帯電話等がペースメーカ、ICDに与える影響  「暫定ガイドライン」===



以下は、ガイドラインおよびガイドライン発表時の資料です。
ガイドラインはこの発表時の添付資料となっている。


1996年3月22日
報道関係者各位

ペースメーカ協議会

携帯電話使用暫定ガイドライン策定
---植込み型心臓ペースメーカ利用者に対し---

 ペースメーカ協議会(所在地:東京都文京区)は、植込み型心臓ペースメーカ利用者が日本国内で 携帯電話を使用する上での注意事項をまとめた暫定ガイドライン「植込み型心臓ペースメーカ利用者 の携帯電話使用上の注意」を策定し、これに関する積極的な広報活動を行うべきとの判断により、 3月29日発表しました。

 本ガイドラインでは、「一般の携帯電話(ハンディタイプ)を使用する場合は、操作、携行においては、 ペースメーカの植込み部位と反対側の耳に当て充分な距離(22cm以上)を離すこと、通話をする 場合は、植込み部位と反対側の耳に当て充分な距離(22cm以上)をとって使用すること。また、 通常の携帯電話より出力の大きい肩掛型携帯電話及び自動車電話の場合は、アンテナから30cm 以上離すこと」となっています。

 さらに、「携帯電話の使用により、からだに異常(めまい、ふらつき、動悸など)を感じた場合は、 直ちに使用をやめ、それぞれ上記の距離以上遠ざけること。ペースメーカの作動は元に戻ります。」 と記載されています。

 携帯電話による医療機器への電磁干渉が社会問題化し始め、一部医療施設では、携帯電話の使用を 禁止するところも出てきています。心臓ペースメーカに関しても、これまで日本国内では、携帯電話の 電磁波によると思われる健康被害の報告は一例も受けてはいませんが、影響を受ける可能性がある 医療機器のひとつとして大きく取りあげられており、ペースメーカ協議会としては、ペースメーカ 利用者のためにも早急に事実を把握し、使用ガイドラインの策定が必要であると判断しました。

 欧米では、既に15cm以上離して使用するようにとの注意事項が出されているところもあります。 しかし、日本では欧米の携帯電話と方式及び周波数が同一というわけではありません。

 したがって、日本独自に影響を調査する必要があり、ペースメーカ協議会では、現在日本国内で 販売されている56機種について、昨年12月からNTT移動通信網株式会社の協力のもとに、心臓 ペースメーカに対する携帯電話の影響を調査する実験を開始しました。その結果、携帯電話を ペースメーカの植込み部位から、ある一定の距離を離せば電磁波の影響を受けないことを確認し、 今回の暫定ガイドラインを策定しました。

 協議会の加盟各社は、ペースメーカ利用者の問い合わせに対応できるよう、このガイドラインを 主要医療機関に対し配布するとともに、今後、この件に関するポスターを作成し、病院内に掲示する など、広く知っていただくよう広報活動も実施致します。

 本ガイドラインに基づく試験は、現在販売されている心臓ペースメーカと携帯電話について行われ ましたが、今後、ヘースメーカ協議会では、さらに過去に植込まれたヘースメーカについても範囲を 広げて試験を続けていく予定です。これらにより新たな知見が得られた場合には、速やかにガイドラ インを改定するとともに、広報活動を行っていく所存です。

以上


<添付資料>

(資料−1)

1)携帯電話の植込み型心臓ペースメーカに及ぼす影響に関する調査概要

 1.背景

    携帯電話による医療機器への電磁干渉が社会問題化し始めており、植込み型心臓ペースメーカも 影響が出るのではないかといわれています。欧米では既に15cm以上離して使用するようにと の注意事項が出されているところもあります。

    いかし、日本においては、欧米の携帯電話とは方式及び周波数が同一というわれではなく、独自 に調査して影響の有無を確かめる必要があり、この度NTT移動通信網株式会社に全面的に協力 していただき、試験を実施しました。
 2.試験方法

    2-1. 人体モデル

    本試験では、ペースメーカおよびそのリードを、実際に人体に植込んだ場合と近い位置化関係にし、 人体よりもより影響の受けやすい条件にするために、生理食塩水より薄い0.18%の食塩水に浅く侵 しました。

    2-2. 調査対象ペースメーカ

    調査対象ペースメーカ本体はペースメーカ協議会加盟全社(11社)により、現在市販されている 機種から主要なもの43モデル56機種の試験を行いました。

    2-3. 携帯電話モデル

    本試験に先立つ事前の実験では、アナログ方式よりディジタル方式の方が影響が出やすい事が確か められ、デジタル方式のハンディタイプ携帯電話(周波数1500MHz,900MHz,出力800mW)及び簡易型 のPHS方式携帯電話(周波数1900MHz,出力80mW)について試験を行いました。
    さらに、本試験では、理論上最大の出力となるように電波をダイポールアンテナにて照射した場合 と、さらにダイポールアンテナ試験で影響を受けたものに関しては、実際の携帯電話で最高出力を 出すようにした場合との2種類で行いました。

    2-4. 動作試験

    本調査試験に先立って予備試験を行い、その結果充分と考えられた次の2種類について動作試験を 行いました。

    (1) ペースメーカがペースメーカパルスを出している状態(自発収縮のない場合を想定して)で 試験電波を照射し、パルス出力が抑制されないか。
    (2) ペースメーカがペースメーカパルスを抑制している状態(自発収縮のある場合を想定)で 試験電波を照射し、非同期ペーシング(心臓の自発興奮があっても刺激を出し続ける)に移行 しないか。
 3. 試験結果

    実際に生じた電波による影響は、以下の3つであり、たとえいずれか1パルス生じても、影響ありと しました。
     A.ペースメーカパルス出力の抑制
     B.非同期ペーシング
     C.ペーシングレートの増加

    (1) デジタル携帯電話(PDC方式)
    ダイポールアンテナで影響を受ける最大距離は、30cm,17cmが各1機種、他はすべて8cm以下、あるいは 影響を受けませんでした。
    実際の携帯電話では15cm,10cmが各1機種、他はすべて8cm以下、あるいは影響を受けませんでした。

    (2) アナログ携帯電話
    影響を受ける場合のあることを確認しました。ただし、デジタル携帯電話と比較し、影響を受ける 頻度は少ないが、影響を受ける距離は、ほぼ同様でした。

    (3) PHS方式携帯電話
    すべてにおいて距離0.5cmでも影響を受けませんでした。ただし、出力を20%増したときに0.5cmで 影響を受けるものがありました。

    (4) 出力と干渉距離の関係
    1Wの出力のとき6cmで干渉を受けた機種でも、10cm以上離せば10wに対しても影響を受けなくな ることが確かめられました。(ハンディタイプ以外の肩掛け型携帯電話や自動車電話では、出力は すべて5W以下です。)
 4. 結論

    以上の試験より、ペースメーカ利用者が携帯電話を使用する場合について、次のことがわかりました。

    (1) ハンディタイプ携帯電話は安全マージンを考慮し、ペースメーカ本体の植込み部位から22cm 以上離すことが望ましい。
    [理由]
    ・影響を受ける部位はペースメーカとリードとの接続部位ですから、そこから距離を保つこ とが必要です。
    ・実際の携帯電話では15cm以上離せば影響がでないという結果が得られてはいますが、本試験で はすべてのペースメーカについて確認したわけではありません。安全を見込む必要があります。
    ・15cmのときに比べて22cmでは電波の影響は約半分になります。

    (2) 肩掛型電話、自動車電話の場合には、アンテナから30cm以上離れる。
    [理由]
    ・肩掛型電話及び自動車電話の周波数は900MHzのみで、デジタルのものは出力は最大2Wで あり、比較的影響は受けにくいと考えられています。
    ・自動車電話の場合、アンテナは車の外部に取り付けられますので、十分な安全マージンをとるこ とができます。
    ・アンテナとペースメーカ本体との距離が22cm以上あればほぼ影響はでないと考えられますが、 これについては、十分な試験データが得られてはいませんので、安全マージンを大きくとりました。
以上


(資料−2)

2) 暫定ガイドライン
 植込み型心臓ペースメーカ利用者の携帯電話使用上の注意

 (リンク先「マイペース、マイペース」)

  【別のページに全文がありますので、そちらへどうぞ】

 (こちらにも 携帯電話利用上の注意 暫定ガイドライン 植込み型心臓ペースメーカ利用者の携帯電話使用上の注意 (日本医用機器工業会 ペースメーカ協議会) (日本メドトロニック株式会社))


(資料−3)

3)植込み型心臓ペースメーカについて

 植込み型心臓ペースメーカは、現在、日本において、心臓の拍動が非常に遅くなる徐脈性不整脈 の患者さんなど約20万人が利用しています。

 心臓ペースメーカは、心臓に電機刺激を与えることにより心臓の拍動回数を維持する働きを持った 機器で、現在では、心臓の拍動を感知し、必要のある時だけ電機刺激をだすものが一般的になってき ています。

 植込み型心臓ペースメーカは、電気的信号を出す回路と電池からなる本体、心臓に電気刺激を伝え る電極(リード)からできています。最近の心臓ペースメーカは心房と心室の両方に電極を入れて正 常な心臓の拍動に近くなるように刺激を与えるもの(デュアルチヤンバー・ペースメーカ)や、運動 時に刺激回数を速くすることができるもの(レートレスポンシブ・ペースメーカ)も開発され、利用 されています。

 このような働きをするため、ヘースメーカには心臓の働きを電気的にとらえる回路が組み込まれて おり、外部からの強い電磁波などによる擬似的な電気信号を心臓の動きとは区別し、このような信号 を感知した場合はEMI防御機構(電磁波障害防御)が働くように設計されています。

 しかし、できる限り強い電波から影響を避けるために、ペースメーカを植込んだ患者さんには、必 ず担当医からその旨の注意がなされ、また、その際に渡されるペースメーカ手帳にも注意事項が記載 されています。

 主な注意事項としては、
  1. 発電施設や各種溶接器など強い電磁波を発生するものの近くには近寄らない。
  2. からだに通電したり、強い電磁波を発生する機器(電気風呂、超音波治療器など)は使用しない。
  3. エンジンのかかっている車のボンネットを開いてエンジン部分に体を近づけない。
 電気掃除機や電子レンジ、テレビは問題ありませんし、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品は、アース をとれば問題ありません。

 以上が、ペースメーカの使用に関する基礎的な注意事項ですが、それにより日常生活に大幅に制限 が加わることはありません。



(資料−4)

4)ペースメーカ協議会について

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