ハート バチスタ手術体験記   読者の体験記 y-05
読者の体験記。y-05

読者の体験記 y−05
バチスタ手術にむけての検査入院



 平成13年7月18日(水)公立H病院でレントゲン写真その他の資料を借り翌19日長男の車で 再び葉山まで送ってもらう。

 検査の日程はこんな具合だ。
    19日(木)  午後2時入院。血液、心電図検査、身長、体重計測  体重74,5kg
    20日(金)  祝日(海の日)のため検査なし  体重73,6kg
    21日(土)  心臓超音波検査、24時間ホルター心電図検査  体重73,1kg
    22日(日)  日曜日のため検査なし  体重72,3kg
    23日(月)  心臓カテーテル検査  体重70,6kg
    24日(火)  頭部MRI, 頭部Angio検査、心プールシンチ検査  体重70,0kg
    25日(水)  シネMRI、胸部イマイトロンCT  体重69,5kg
    26日(木)  心筋シンチ、腹部超音波検査、午後3時須磨先生の結果説明  体重68,3kg
    27日(金)  午前11時退院  体重67,9kg
*** 検査入院費用は当初30万円から40万円の間位と聞いていたが老人保健法(身障者のため適用 される)による医療受給者証使用のため全費用5万円弱であった。

 検査入院の間、検査時以外は殆ど安静にしていたためか息苦しさもなくなり、すいすいと楽に健常者 並に歩けるようになっていた。入院二日目位まではナースに車椅子で運んでもらったが三日目位からは 快調な体調に復帰し始めていた。にもかかわらず入院中は体重が減り続けたのはどういう訳か?。

 7月19日入院時にナースの案内で病室に入り種々の注意事項の説明が終わったときに、家内が 『 看護婦さん、主人は寝相が悪いので多分夜ベッドから落ちると思いますが、防止柵はあるので しょうか 』という。『 バカ言うなよ。子供じゃあるまいしベッドから落ちるなんてことはないよ 』 と私。ナースは笑いながら滑落防止柵をセットしていってくれた。この日の夜は多少緊張していたのか あまり眠れず退屈な夜が過ぎていった。翌日の夜、夜半1時過ぎだったろうかベッドからものの見事に 落ちてしまった。物音に驚いて同室の人達が心配げに駆けつけてくれた。

『 大丈夫ですか………』

『 大丈夫です。すいません、お騒がせしました 』であとは何事もなく順調に朝がやってきた。 ところがその朝の事、ホルター心電図計が外れてしまっていた。そして同室の人達が笑いながら話して くれた。『 いや〜昨日はねえ、実を言うと10時頃からすごかったのですよ。足や腕をバタンバタン やって……時々うなったり奇声を発したりしてたんですよ。拡張型心筋症だと聞いていたので、 苦しいんだろうなァ気の毒だなァって話していたんですよ。そしたら夜中にベッドから落ちたんで もうびっくりでしたよ。………』ナースのほうにも話しがいっていたとみえて、さっそく婦長さんが やってきた。

『 Yさん、公立H病院のほうからどんな薬が出ているのか毎日飲んでいる薬をちょっと みせて………』私のもっている薬をみて『 はは〜ん、昨夜の騒ぎはこれが原因だナ 』と指摘された のが眠剤のハルシオンであった。この薬は幻覚を見たり夢遊病者のような行動をとったりして 『 しかもご本人は何も覚えていないという副作用があるのよ。それでこのハートセンターでは一切 使っていないから、ここで使用している眠剤のベンザリンをだしてあげます。1錠で効かなかったら 2錠まであげるけどそれ以上はダメ………』と言う訳でハルシオンは没収と言う事になった。

 明けて翌朝、3年振りにハルシオンを服用しなかった夜を過ごした訳だ。同室の人に聞いてみる。 『 昨夜はどうでした。うなったりあばれたりしてる様子はありましたか……』 『 いや、昨夜は静かでしたよ。』『 ぐっすり眠っているようでしたよ 』という。このあと入院中、 朝の会話は前夜の様子を聞くことから始まった次第である。もちろん、ハルシオンを止めてからは静か に眠る夜が続いている(現在も)。そればかりではなく、変な脱力感や疲労感がなくなって身体に活力 が戻ってきたような感じすらするようになってきた。

 須磨先生による検査結果の説明概略

  1. 三尖弁と僧帽弁がかなりダメージを受けていて、血液の逆流がひどい。

  2. 拡張型心筋症のほうはかなり心臓がふくらんではいるようだが、現状はバチスタ手術をするの がはたしてよいかどうかぎりぎりのところである。

  3. 変なたとえですがメロンにたとえれば、よく熟れた食べごろというのがあってその前でも後でも 味が良くない。バチスタ手術も遅きに失してはもちろんよくないが、それほど拡張していないのに切 り取ってしまうという事は未だ生きている組織を切ってしまうということになり、弱っている心臓を いじめてしまうので余後がよくない。

  4. 最適な手術の時期というのはバチスタ手術の場合、未だ教科書のない全くの手探りの手術なの でなかなか難しい問題で一概には言えないが、私の診たところでは最低でもあと2,3ヶ月はたって からのほうがよいと思うし、その間に急激に悪くなるという事は絶対ないと私が保証します。

  5. 拡張型心筋症がなければ三尖弁と僧帽弁の手術はいますぐにでやってもいいくらいだが、その 二つだけを先にしてしまうということはできないし、またもしもそうやってしまうと今度は拡張型心 筋症のほうへ負担がかかってしまって急激に悪くなってしまう。従って拡張型心筋症、三尖弁、僧帽 弁の3点セットの同時手術が望ましい。

  6. とにかくリスクが多く大きい手術ですからじっくり病状を見て、最適な時期に手術をしましょう。 Yさんのように 「 切ってください。早く切ってくださいという人は初めてですよ。たいていの人 はかなり悪くなっているから遅きに失しないうちに手術をしましょう、というともう少し待ってくださ い。もうちょっと悪くなったら必ずお願いに来ますからもう少し先にして下さい、という人が殆どなん ですよ。しかもYさんと比べたら独り歩きが出来ないほどによれよれの患者さんなんですよ。Yさ んの場合は顔色もいいし、階段でも廊下でも独りでさっさと歩けるようだし、急いで危険な手術を無理 に受ける事はありません。とにかくもう2、3ヶ月先に時期をみてからにしましょう。絶対に未だ大丈 夫ですから安心して下さい。

 『 わかりました。それでは秋になったらコンタクトをとらせて頂きますのでよろしくお願い致します』

 こんなようなことで、翌7月27日午前11時に退院ということになった。半年間おそろしく具合が 悪くて苦しんだあげく、バチスタ手術を決心して葉山ハートセンターへ須磨先生を頼りに来た訳だから、 本当はこのまま入院中に手術を受けてしまいたかった。一旦帰宅して体調がいくらかでも良くなったら 決心が鈍ってしまうだろうなと思う。手術よりも決心の鈍るほうが私は恐い。

 平成13年7月27日11時30分退院。

 この日、車で約2時間半をかけ自宅に着いたときにはさすがに疲れ、すぐに寝転んでしまった。
(2002.1記)

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