桜前線が駅伝の走者のように、北のゴールを目指して駆け抜けて行ったと思う間に、辺りは早や緑一色に包まれています。
桜の下を嬉々として入学式に向かったかわいい子ちゃんたちも、そろそろ学校の雰囲気に
溶け込んだ頃でしょうか。我が家の小さな庭は、出番を待っていた花たちがあとからあとから顔を見せて、いまや華やかなコンサートが佳境にはいったようです。今年の春のソリストは、植えて5年以上花をつけることがなかった“はなみずき”です。咲かないからもう切っちゃおうかしら、と夫と話したとたんに開花しました。
もうひとつ拍手喝采を浴びているのが、夫が、壊した家の雨戸を活用して作った、物置の裏のまったく日の当たらない、1メートルもない塀との隙間で咲いた“蘇芳”です。
毎朝、雑草の中から花を咲かせたスミレや花ニラ、そして名もない小さな花を踏まないように気を付けて歩きながら、「おはよう」と挨拶をして巡っています。
体調が行きつ戻りつの夫ですが、なんだか良いことが起こりそうな予感のする4月でした。