すき! すき! すき!
最近我が家のまわりで、四十雀がよく鳴きます。
すき、すき! すき! すき! ……と歌いながら、
突然キス!と叫んで歌をやめます。
毎日この声を聴くのを楽しみにしていましたけれど、
或る日を境にこの愛の告白が、何故かけち! けち!
けち! と聞こえるようになりました。
何か人にけち!といわれることをしてしまったかな?と考えましたが、人にご馳走したくてたまらない性格なので、とりあえずは、思い当たることがありません。
そして、鳥に関してはまったくの無学者の私は、四十雀がどんな鳥なのかも知りません。
話は変わりますが、以前改築する前の、家の庭には、たくさんの木がありました。
大小取り混ぜて5本あったヒマラヤ杉は、建築材料に適しないためか、無用の長物といわれていましたけれど、私にとっては大切な木でした。
何故って、太い幹から横に張り出している枝を
5段もよじ登ると、我が町が 一望出来たのです。
「あぶないよ、降りてきなさい」という舅の声を聞き流して、よく木の上から町内の地回りをしたものです。
この木はまた、土鳩の産卵の場所でもありました。
土鳩の歌は私には、「収拾つけて!収拾つけて!」と聞こえます。そしてこの鳥もなぜか最後はシュウ!
庭仕事をしていた夫が言いました。土鳩が「九州はあったかい!」って鳴いている、と。
聴く耳によって、なんとでも聴こえるのですね。
我が家の家族 紀子とモンタ
高いところが好きなのは、私だけではありませんでした
さすがにこの歳になると、木に登る元気はありません。町に下りるゆるい坂も荷物の多い帰りは、息が切れるようになってしまいました。家族の厄介者になる日もみえてきたかな?
デイホームで「カナリアの歌」を歌いながら、
〜♪後ろの山に捨てましょか♪〜
というくだりで、我が家のまわりには「後ろの山」も「背戸の小籔」もなくて良かった!と思いました。
それどころか、町の川も暗渠にされてしまいました。
暗渠のうえは新緑が盛りで、一年で一番すきな季節の到来です。
無精者だらけの家族ですから、姥捨て山に行く手間を省いて、放って置かれるのがおちでしょう。
そうなったら四十雀と一緒に、日がな一日「すき! すき! すき! キス!」と歌っていることにしますね。
モンタは15歳でもっと高い
ところに行ってしまいました。
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