Who are you?

 家の近くで大きなマスクをかけた人から声を掛けられました。
「こんにちは」目が笑っています。
でも私には誰だかわかりません。

 とっさに、笑いかけている顔に向かって、こちらも
「こんにちは」…
 でも瞬間に、「あれ、人違い?」と疑ってしまったので、
声は出さずに出来る限りの笑顔で頭を下げているうちに
すれ違ってしまいました。

 春先は花粉症のせいか、黄砂の影響なのか、はたまた
インフルエンザ予防のためか、街中でしばしばマスクの顔に出会います。

 勿論最近の諸問題に対処するには、マスクを掛けるのはベストな対策ですが、私はマスクが嫌いで、余程のことでないとかけません。

 マスクというものを買ったことがないし、何らかの理由で手に入っても、使わないうちに行方不明になってしまうのです。

 毎年行くネパール・カトマンズは春先は特に埃がひどく、最初に行った時には、空港を出て黄色くにごった風景が目にはいったとたんに、げほげほとむせてしまった程ですけれど、それでも「あれ、マスク持ってたよなぁ」と思ってもどこに入っているのか探せず、ついに使わずじまいだったくらいです。
 〜ちなみにカトマンズは、ネパール訪問に対するマニュアルに、マスク持参が必ずはいるほど埃で有名でしたが、それから数年のうちにガソリン規制などで見違えるように空気が良くなりました〜。

 本来私は声帯は弱いのに、咽喉科関係は強く、「ばかは風邪をひかない」の実証者です。

 とりわけ最近は、用心のためインフルエンザの予防注射をしているのが功を奏していることもあって、今年も風邪を引かずに済んだようです。

 ひょっとしたら私の肺の中は、黄色い砂で埋まっているかもしれません。
 それでもマスクを掛けない理由のひとつに、私は顔の全面を見せない人間を信用できないということがあるのです。

 これってかなり意固地なのかもしれないですけれど、でも私は人と話をするときは、素顔で真正面から向き合っていたいと思います。
(誤解しないでくださいね、私は自分の美貌に関しては、まったく自信はないのですけれど)

 だから相手の目を見ないで話す人とは、会話が弾みません。
 自分の考えをいう前に「あなた何考えてるの」
とそちらのほうが気になってしまい、こちらも自信がなくなってしまうのです。

 

 そういえば議員さんだか代議士さんだかに、フルフェイスのお面を被っている人いますよね。
 あれは絶対に間違っています。
いちばん自分の考えを国民に伝えなければならない仕事を持ちながら、自分の素顔を見せない、そんな人を信じて投票したのでしょうか?

 そういう人に投票した人も信じられないな、と思っちゃいますけれど、間違ってます?

 でも、そろそろ歳を考えて、肺炎なんぞに罹って、まわりに迷惑を掛けないために、風の強い日はマスクを掛けようかな!
 人にあったときはマスク外せばいいんだ、そうだ、そうしよう!

 ……と書いてから1ヶ月、黄砂もインフルエンザも、そして花粉もピークを過ぎてしまったようです。

 だから来年まで、マスクは買わない、ということになるでしょう。

 願わくは理由がなんであれ、人に顔を見られては困る、なんてことにならないことを願ってます。

今咲いている庭の花