迷惑電話
今、隣の土地に息子と娘が家を建てています。外側が終わって内装の段階にはいり、まもなく完成ですが、時を得ずといった感じで毎日たくさんの電話が掛かってくるようになりました。
それは造園業者だったり、カーテンやさんだったりですが、その傍若無人ぶりにいささか腹を立てています。
お友達に電話をかける時だって、今掛けたら迷惑かな?明日にするべきかな?と考えてから受話器をとるのに、この手合いはこちらの都合はまったく無視です。
大体が、面白いテレビを見ている時とか、台所で夕食の準備中とか、あるいは大事な電話中の割り込みだったりです。
ミステリードラマなんて、筋が判らなくなっちゃいます。
そして、こちらのことはまったく意識の外で、一気にまくし立てます。
もともとお墓や投資などの勧誘の電話は多いのですけれど、これは断りようも簡単です。
お墓は、「間に合ってます」〜お墓こそは1箇所でよいのですから〜
私の敬愛していた人生の先輩の貞子さんは、勧誘電話がかかってくると、
「まあ!ご親切に!でもね、私80歳過ぎてるんですの、だからもうじき死ぬのよ」
これは打率100%です。彼女は、なかなかの才女で見習うことの多いかたでしたけれど、でもこればかりは真似できませんでした。
そしてそんなこと言ってる間に、86歳のお誕生日を待たずに、みまかってしまいました。
余談ながら
「私の余命もいくばくかだから、今日から、「手早やでお粗末○○子さん」のニックネームはそっくり貴女に上げるわ」
といって名誉ある地位を私に残してくださった方です。
さて、話を戻します。
投資については、「余分なお金がありませ〜ん」。
だいたいこれでかたがつきます。
けれども今回の件については、何か言えばいうほど、深みに嵌ってしまいそうで、難しいのです。
今日もカーテンやさんからかかってきました。例に依って一方的です。
「緑色の封筒送りましたけれど、中身ご覧になりましたか?」
「いっぱい送ってくるから、気がつきません」
「あのう、A4の封筒ですけれど」
「さあ?見てません」
「それではもう一度送ります」
「いえ、結構です」
「奥さん、ご承知でしょうけれど、大工さんはカーテンまで吊っては呉れないのですよ」
「息子に一任してありますので…」
「息子さん何時連絡がつきますか?」
…知るかいそんなこと、子供のことにかまけてる暇なんてないも〜ん…
だんだんいらいらしてきました。
「お宅どこから情報手に入れるんですか」
相手はこんな応対には慣れっこなんでしょう。
「その手のルートがあるんです。工務店とか区役所とか……」
相手の思う壺です。この辺で手を打たなくては、泥沼から抜け出せなくなります。
「ごめんなさい、忙しいから」
ガチャンと置いた受話器の向こうから、「くそばばあ!」と言う声が聞こえたような気がしました。
石原慎太郎さん、在任中に迷惑電話取り締まり条例作ってくださいな。
……と大見得切ったのに、最近受けた電話で、三陸海岸のお魚屋さんの熱意に負けてしまったワタクシなのでありました。
そして、この一件で再認識しました。
日本経済はまだまだ立ち直っていません。中小企業のみなさん、がんばってください!




