今年も行きました-花火大会
8月18日は多摩川の花火でした。
花火が大好きな私は、夕方近くなって、開催の合図が打ち上げられると、もうそわそわしてしまいます。
昔は隅田川の花火も見に行ったものですけれど、今はあの混雑を考えただけで、片道1時間を出かけていくファイトが湧きません。
そこへいくと、多摩川は5〜6分電車に乗るだけの手間で済みます。
夏は何処にも出かけられない我が家では、この花火大会が、唯一の娯楽といっても過言ではありません。
去年は少し遅く…といっても、1時間前に会場にいきましたら、もういい場所がなく、辛うじて見つけた土手のヘリで、サンドイッチを食べながらの見物でした。そこで、今年はめんどくさがる旦那と娘のお尻を叩いて、2時間前に会場に到着。この3人が我が家の暇人トリオなんです。
でも驚いたことに、河川敷はもう人でいっぱいでした。
太陽がまだ高々と存在を主張している時間なのにです。
川下に向かって場所探しに躍起になって歩く私の目は、どうにか3人が座れるスペースを発見。
どうして見つけたかというと、小さな空きスペースの隣に、畳3枚分くらいの巨大ビニールシートが、目に入ったからです。
その真ん中に、ぽつねんと座っている若者ひとり。こういうときになると、普段慎ましやか?な私は俄然おばん精神が横溢してくるんです。
「しつれいしま〜す」と、一応挨拶して敷物(といったって1枚の風呂敷ほどのものです)を広げると、最初は黙礼だけしていたその人が、「あのう、もっとこっちに来てください、こんなに大きいけどあんまり来ないんです」
多摩川の花火では、昼間から場所取りしている人が多いので、多分「あみだくじ」に負けた中小企業の「ぺいぺいさん」と推測しました。
とにもかくにも、場所を確保してほっと一安心!斜め横がトイレだった以外は、花火を見るのに絶好のスペースです。買ってきたサンドイッチと助六すしでリラックスする間にも、人は増える一方です。ところが何時までたっても隣の巨大シートは誰も来ません。
玉川警察のメガホンが、詰めあって一人でもたくさんの方が座れるように、と声をからしていて、隣のお兄さんは段々そわそわしてきました。
そこへ出来立てのコッペパンみたいにむちむちと太ったかわいい赤ちゃんを連れて、出来立てのアンパンのような奥方の登場です。
聞けば、この土手のすぐ近くに住んでいるとか…
「誰も来ないんだよ」「電話したの?」「しても繋がんなくてさあ」「なにもたもたしてんのよ、そんなこといってる間にもう一回さっさと電話しなさいよ」……どうみても指揮権を奥さんに握られているようです。
遂に若いお父さんは行動に出ました。
私たちのテリトリーであるゆるい傾斜を駆け下りると、場所を探して続々と入ってくる人たちの中から誘導して自分たちの場所に誘い入れるのです。
見ていると、さりげなく選り分けています。
年寄り夫婦には目も呉れず、ひたすら赤ちゃん連れをピックアップ。
やがていっぱいになったシートの上では、赤ちゃんのママたちのエールの交換が始まりました。
そして繰り広げられた6000発の絢爛豪華な世界。クライマックスは大音響の「威風堂々」の音楽に合わせて、空いっぱいに広がりました。毎年の事ながら、時々、落ちてくる煤にむせながら、1時間はあっという間に過ぎて、又来年までのお楽しみということで幕が下りました。
最後までお連れが来なかったお隣の若夫婦も、せっかく3時から確保したという席に現れなかった、つれない友人たちとの交流よりは、赤ちゃん情報交歓会のほうがよっぽど楽しかったことでしょう。
幸せ気分いっぱいになった観衆は、混雑のため行われた交通規制にも諄々と従い、ボックスカーの上から警官が「ゆっくりゆっくりお進み下さい、楽しい花火大会の帰りに、もし皆様が怪我をされたら、今日の花火大会のために全力を尽くしたスタッフはどんなにか悲しむことでしょう」と、少々浪花節調で言った途端、大爆笑が起きました。
きっと皆このうえなくハッピーになっていたのでしょうね。
綿密に計画された誘導に依って、帰りの電車も程よい混みようで、満足、まんぞく。
この親切なご夫婦に教わった通り、来年は3時に席を取りに行く積りです。
前回のindex のページに花火の報告を載せたのですが、最近は表紙を毎回入れ替えることにしたので、不出来な写真ながら、記録を残したくて、今回も……花火でした。
余談ながら花火の写真をデジカメで撮るのは、むずかしいわ!









