表紙のBGMについて、何人かの方から、とても心地よい音楽だけれど、あれは何の曲?とお問い合わせがありました。よくページを開くときれいな音楽が聞こえてきて、自分のホームページにも是非音楽を入れたいと思っていましたが、その作業をするまで、挿入曲を考えていませんでした。いざとなった時に、とっさにCDの棚からつまみ出したのが、これです。
「モーツアルト ピアノコンチェルト14番 第2楽章」
小さい時からモーツアルトの音楽が好きでした。その想いは大きくなるにしたがって段々強くなり、落ち込んだ時には、モーツアルトを聴くことによって、元気を取り戻す事が出来ました。
私の音楽生活(というほどのものでもありませんけれど……)は、5歳ぐらいの時に遡ります。
同居していた20代の叔父が、クラシックファンで、よくレコードを聴かせてくれました。
応接間から音楽が聴こえてくると、私は瞑想に耽っている叔父の邪魔をしないように、そっとドアを開けて入り、体を寄せ合ってモーツアルトのジュピターを聴くのが好きでした。
その私の大好きだった優しい叔父は、2人の子供を残して、昭和19年にビルマで戦病死してしまいました。
今生きていたら、90歳を超えている叔父に、いまでもできることなら会いたいと思っています。
その叔父の影響もさることながら、私の母は、大阪の音楽学校の出身でした。
大阪商人の一人娘だった母は、男兄弟に囲まれて何不自由なく育ったようで、昔の写真によると、テニスのラケットを持った真っ黒けな少女だったようです。
声楽を習っていて、上野音楽学校に行きたかったのに、親の許しを得られず、そのかわりに取引先の横浜商人の息子である父と結婚して、上京しました。ですから、母の心の中にも私に音楽をやらせたい、という願望があったのでしょう。
時折くちずさんでいる母の歌を聞いて、子供心にも、なんていい声なのだろうと思ったのを覚えています。
夕方の西日を浴びた明るい台所で、晩御飯の仕度を手伝いながら、一緒に
♪〜はるのうららのすみだがわ〜♪
と2重唱をするのは、私にとっても幸せなひと時でした。
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2004.10. 8 木畑亭コンサートへ
母(70歳)と共に